芥川龍之介作品の読了記録。どれもスキマ時間でさくっと読めるものばかり。 感想というより自分用の一言覚書。タイトル50音順。
太字のみは本文からの引用です。
青空文庫で読める!芥川龍之介作品
『鬼ごつこ』
「妙に真剣な顔」というフレーズがよく出てきたのが印象に残る。二人とも同じ用な表情だったのかな。結婚してからその表情を見ていない…ということは彼女は彼と結婚したかったということか? 深く考えると怖い系の話かもしれない。
(201.03.13 読了)
『才一巧亦不二』
作品名は「さいのいっこうなるもまたにならず」。読めなかった…。
「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば並の人、といふこともあるから、子供の時に悧巧でも大人になつて馬鹿にならないとは限らない。だから神童と云はれるのも考へものだ」
に対するフランスのヴォルテールと中国の孔融の返しについて。東も西も頭のいい人は同じなのかも。
(2022.09.13 読了)
『耳目記』
「僕は肥つた人の手を見ると、なぜか海豹の鰭を思ひ出してゐる。」
こういう思いついたことを書き留めた、みたいなの結構好きだ。
(2022.09.20 読了)
『食物として』
里見弴は「皮造りの刺身」、菊池寛は鼻を椎茸と一緒に煮て食う。谷崎潤一郎は「西洋種で煮て」、北原白秋は「ビフテキ」、宇野浩二は「ロオスト・ビフ」(前に書いてたな…格さんと食慾)、佐佐木茂索は「串に通して、白やき」。今芥川の目の前に座っている室生犀星は「干物」。
芥川を通すと文豪がおいしそうに見えてくる。カニバリズム。金沢の方言「うまさうな」からこんなところに来るとはな。
(2022.09.04 読了)
『無題』
腹を壊して講演に出られないという挨拶。佐佐木茂索に代打を頼んだもよう。
尾籠なお話ですが、っていう言い方なんかいいな。
(2022.09.13 読了)
三浦しをんさんのエッセイで似たようなタイトルあったよな、と思ったらカタカナで「ビロウ」だった。
『文章と言葉と』
「僕は別段必要以上に文章に凝つた覚えはない。文章は何よりもはつきり書きたい。頭の中にあるものをはつきり文章に現したい。僕は只ただそれだけを心がけてゐる。」
「画力は五百年、書力は八百年に尽きるさうである」
文章の力の尽きるのは何百年かかるのだろう、という芥川の問い。
源氏物語のことを考えるとかなりの年月、力は衰えないのかも。
(2022.09.20 読了)