昔の読書の覚書まとめ。古い本が多い。
何が言いたいのかいつも以上にわからないので、だいぶ端折っている。短い。
国内、海外、フィクション、ノンフィクションごった煮なので、分類を「9文学」にした。
並びは大体読んだ順。
読書記録
ジョー・タイ『天使になった男』
事業に失敗したポールは夕日に染まる断崖の上に立ち、
今にも飛び降りて人生に終止符を打とうとしていた。
その瞬間、不思議な男レイフが現れて……
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-1446-3
本の帯に感動する、泣けるとあったので読んでみたもの。いい話だとは思うが、そこまで感動はしなかった。
大事な言葉が太字になっているので、要点がわかりやすい。その太字だけ読むというのもありかも。きっと自分の心に残る言葉が1つは見つかるかと。
以下、本を読んですごく納得したというか腑に落ちた言葉。
- 息をしている限りは、すべてを失ったわけではない。
- 恐怖に名前をつければ、ただの問題になる。
アレックス・シアラー『青空のむこう』
ひとりの少年が教えてくれる、生きている今を大切にしようというメッセージ。YAの名手アレックス・シアラーのベストセラー小説。
https://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/000000001487/
交通事故で死んでしまった少年が、やり残したことがあるともう1度自分がいた場所へ戻る、という話。
自分が居なくなったら皆はどう思うんだろう? 悲しんでくれる人はいるんだろうか。世界は変わらず回っているんだろうけれど。
読んだ後優しい気持ちになれる。むしろ優しくなりたくなる本。
北村薫『月の砂漠をさばさばと』
9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな――。
https://www.shinchosha.co.jp/book/137327/
この本のタイトルの語感がリズムがあって好き。
これはある母娘の話。たぶん、この2人のようなやり取りが理想的なのだと思う。一緒になって遊んだり、話をする姿はまるで親友のよう。ほんとはたくさん転がっているのだろう日常の中の小さな幸せがたくさん詰まっています。おーなり由子さんの挿絵も話にあっていて可愛らしい。
江國香織『つめたいよるに』
新潮文庫
出会いと別れの不思議な一日を綴った『デューク』。コンビニでバイトする大学生のクリスマスイブを描いた『とくべつな早朝』。デビュー作『桃子』を含む21編を収録した初々しい短編集。
https://www.shinchosha.co.jp/book/133913/
21編の話を収録した短編集。「デューク」が一番好きです。なんでもない日常に転がってるようなものが宝物に感じられる、そんな感じの短編集。
収録作品
つめたいよるに / デューク / 夏の少し前 / 僕はジャングルに住みたい / 桃子 / 草之丞の話 / 鬼ばばあ / 夜の子どもたち / いつか、ずっと昔 / スイート・ラバーズ / 温かなお皿 / 朱塗りの三段重 / ラプンツェルたち / 子供たちの晩餐 / 晴れた空の下で / さくらんぼパイ / 藤島さんの来る日 / 緑色のギンガムクロス / 南ケ原団地A号棟 / ねぎを刻む / コスモスの咲く庭 / 冬の日、防衛庁にて / とくべつな早朝
村山由佳『約束』
はまのゆか/絵
薄いので割りと速く読めた。聞くところによると中学の受験に出たらしい。
仲の良い友達の一人が病気のために入院することになった。そんな友達のためにタイムマシンを僕らは作ることにした…という話。
哀しいけれど、温かい。忘れていた何かを思い出したような、どこか懐かしく感じられる話でした。
▼子ども向けの話、3編を絵なしの文庫に再編集した手に入れやすい文庫版。
所ジョージ『花咲かじいさんの恩返し トコロ流昔話』
長く語り継がれてきた物語にひそむ数々の謎と本当の真実にブリブリ迫るトコロ流「新説昔話」の集大成が遂に完成!心にしみる深~い教訓の始まり始まり!
https://www.kadokawa.co.jp/product/301402004505/
所ジョージってこんな本出してたんだなあ。どれも他愛無い、いい意味で馬鹿げた話。御伽噺のパロディのようなもので、第1部の方は2つの童話をミックスして話を繋げていくというもの。思わずくすりと笑ってしまうところが多々ある。
第2部は童話の裏話、新説ってもので、これもまた馬鹿馬鹿しいんだけどおもしろい! 特に「名犬・ポチ1号の伝説」が好き。いろんな童話に犬はでてくるけど、その犬は全部同じ「ポチ」で童話の中で影ながら尽力したきたって話。涙ものです(笑)スキマ時間に気楽に読める本。
目取真俊『風音 The Crying Wind』
初恋の人の記憶を辿る旅を続ける老婦人。夫の暴力から逃れて、沖縄へ舞い戻ってきた和江と息子・マサシ。新たな生き方を求めて動き出そうとする人々。戦争の傷跡をなでるように、それぞれの心に風音が鳴り響く。
http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=554
舞台は沖縄。心のどこかが傷ついている何人かの人の視点で物語が書かれている。文体が難しいので、少し読みにくさを感じたが、自然にあるものの描写がていねいで、目を閉じれば美しいその光景が浮かび上がってくるようだった。
戦争で亡くなっていった若者の描写は切なく、真一の志保へと綴った手紙は短い文ながら印象強い。時が経つにつれて忘れてしまいがちなことを思い出させる話だった。
▼2004年に映画化しているらしい。
よしもとばなな『王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―』
「あんたは山を降りなさい」。薬草のお茶で身体の悪い人を癒してきた祖母の言葉が、十八歳になった雫石の人生を動かす。自給自足の山の生活を離れ、慣れぬ都会で待っていたのは、目の不自由な占い師の男・楓との運命的な出会い。そしてサボテンが縁を結んだ野林真一郎との、不倫の恋だった。
https://www.shinchosha.co.jp/book/135934/
初めて読むばなな作品。この作品でペンネームを「吉本ばなな」から「よしもとばなな」に変えたらしい。
物語は穏やかで静か。淡々と進んでいくが、なんだかすごく大きな話を読んだような気がする。ところどころの些細な言葉で不意をつかれてしまう。
山・植物など自然のものの描写が多くて、目を閉じればその風景が見えてくるようだった。サボテンがなんだか可愛く思える。あと、おばあさんの「謙虚でいなさい」の台詞が印象に残っている。
▼単行本。文庫本とだいぶ雰囲気の違うデザイン。中古本。