村山早紀著「花咲家」シリーズの読書記録まとめ。途中まで。
装画:カスヤナガト
村山早紀「花咲家」シリーズ
『花咲家の人々』
風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784198936389
海辺の町「風早」の街を舞台とした、植物と会話ができる不思議な力を持つ「花咲家の人々」を中心とした物語。せつなくて、温かくて緑があふれる話でした。自然と涙が流れてしまった。
登場人物の名前に植物などの名前がつくものが多いのがなんか印象的。風早の街も花咲家の人たちも好きだな。収録されているどの話もよかった。好き。植物たちはこちらが気づいていないだけで、この話の中のように寄り添ってくれているのかな。
収録
黄昏時に花束を
夏の怪盗
草のたてがみ
十年めのクリスマスローズ
花咲家の人々をそれぞれピックアップした感じの話。
『花咲家の休日』
勤め先の植物園がお休みの朝、花咲家のお父さん草太郎は自らの少年時代を思い起こしていました。自分の耳には植物の声が聞こえる。その「秘密」を抱え周囲の「普通」の友人たちとは距離をおいてきた日々。なのにその不思議な転校生には心を開いた…。
https://www.tokuma.jp/book/b502754.html
花咲家シリーズ第2弾。今回もよかった!
お父さん、末っ子、次女と飼い猫、おじいさん、それから長女とお客さんの話を収録。前作から続いて、どの話もせつなくて温かい話だった。エピローグのおじいさんの存在がかなりファンタジーだけど、舞台は「風早の街」だし、そうおかしなことでもないのかも。それにしてもパウンドケーキを焼いて待っている茉莉亜がせつない…。