文字を食べる

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須賀敦子『霧のむこうに住みたい』

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河出文庫

愛するイタリアのなつかしい家族、友人たち、思い出の風景。静かにつづられるかけがえのない記憶の数かず。須賀敦子の希有な人生が凝縮され、その文体の魅力が遺憾なく発揮された、美しい作品集。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309413129/


 タイトルが気になってフェア(応募するとブックカバーもらえるやつ)を機に手に取った本。著者の名前は聞いたことあるけど、今まで読んだことはなかった。

 イタリア、日本それぞれでの思い出の風景。読んでいるとその情景が目に浮かぶ。なぜかモノクロで。なんでだろうと思ったら、かなり昔の思い出も混ざっているようで。解説で江國香織さんが須賀敦子さんの御本を読んでいると、どうしてだろう、雨が降っている気分になる。いつも。」と書いていて、ああ、そういう感じかも、と共感した。

 良いところも悪いところもあるイタリアだけど、著者の目線で語られるイタリアは憎めない、なんか愛嬌のある国に感じた。
 私は著者に会ったことないし、まったく知らないけど、著者のことが好きだと思った。

 この本に収録されているエッセイは単行本未収録のものだったらしい。先に他の本を読むべきだったんだなあ。他の著者の本も読んでいきたい。楽しみが増えた!