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エッセイアンソロジー「おいしい文藝」シリーズ その1

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 河出書房新社より刊行された食べ物にまつわるエッセイのアンソロジー、「おいしい文藝」シリーズの読書記録を第1弾~5弾までまとめました。
 初期のかわいい装幀も好きだし、途中からのおいしそうな装幀も好き。

「おいしい文藝」シリーズ

『ぷくぷく、お肉』

すき焼き、ステーキ、焼き肉、とんかつ、焼き鳥、マンモス!? 古今の作家たちが「肉」について筆をふるう随筆アンソロジー。読めば必ず満腹感が味わえる「おいしい文藝」シリーズ第1弾!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309022581/


 お肉についてのエッセイアンソロジー
 すき焼き、トンカツ、焼き肉、ステーキなどなど様々な肉料理、様々な動物の肉にまつわるエピソードや考え方など、1冊の本で色々楽しめました。おもしろかった! そして、お腹がすきました。
 牛鍋、ビフテキは言葉は知っていても自分では使わないから、なんだか読んでいて新鮮というか不思議な気持ちでした。それにしたって、おいしそう! 食べ物エッセイは好きなので、ちょくちょく読みますが、こういうアンソロジーもおもしろいですね。

↓収録されている作品のタイトルを見るだけでもお腹がすく。

収録内容
スキヤキスキヤキ(阿川佐和子)/エラクなりたかったら独身だ、スキヤキだ(開高健)/牛鍋からすき焼きへ(古川緑波)/すき焼きの記憶―「自作の中の味」という課題で(山田太一)/すき焼きが好き(村上春樹)/ビフテキ委員会(赤瀬川原平)/世界一のステーキ(馳星周)/肉それぞれの表情(神吉拓郎)/とんかつとカツレツ(池波正太郎)/味噌カツ向田邦子)/冬でも夏でも、たんてきに、足が冷たいんである(川上未映子)/ビフテキとカツレツ(阿川弘之)/昔のトリ(佐藤愛子)/焼きトリ(内館牧子)/鴨よ!(菊地成孔)/焼肉(久住昌之)/夕食 肉は「血沸き肉踊らせつつ」(井上荒野)/日本風焼肉ブームに火がついた(邱永漢)/ビーフ・シチュー(檀一雄)/血よ、したたれ!(伊丹十三)/梅田て串カツ(町田康)/牛カツ豚カツ豆腐(内田百けん)/ありが豚(角田光代)/豚肉生姜焼きの一途(東海林さだお)/長崎の豚の角煮(吉田健一)/バスティーユの豚(四方田犬彦)/豚ロース鍋のこと(吉本隆明)/豚のフルコース(島田雅彦)/ギャートルズ園山俊二)/獣の味(平松洋子)/韃靼ステーキ(三宅艶子)/肉がなけりゃ(色川武大


『ずるずる、ラーメン』

あの時のラーメン、あの土地のラーメン……ラーメン大好きで有名なあの人も登場!? ラーメンにまつわる名随筆32篇を収録。読めば美味しい気持ちになる、大好評シリーズ「おいしい文藝」第2弾。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309022970/


 第一弾の「ぷくぷく、お肉」がおもしろかったので、第二弾のラーメン編も読んでみました。おもしろい!
 前回は割とどれも肉料理のおいしさについて書かれてたように思うのですが、今回はまずかったラーメンの思い出を綴ったものもあって、なんだか新鮮な気持ちに。久住さんのエッセイにしみじみと書かれたラーメンの味のひどさが、逆にいかほどのものなのか気になります。
 また、森下さんのエッセイでも書かれてたけど、インスタントなら私もサッポロ一番みそラーメンが好きです。今回もどれもおいしそうでした。読後はラーメンを食べたい気持ちになりました。第三弾も出るそうでので、そっちもまた読みたいなあと思ってます。このシリーズいいなあ。


収録内容
駅裏路地裏裏ラーメンの謎(椎名誠)/度を越す人(宮沢章夫)/相撲とラーメン(川本三郎)/はっこいラーメンのこと(角田光代)/麗しの愛人ラーメン(池上永一)/幻のラーメン(吉村昭)/すべてはこってりのために(津村記久子)/悪魔のマダム(久住昌之)/静謐なラーメン(町田康)/ラーメン女子の実態(島本理生)/ソウルフードか、ラーメンか?(内澤旬子)/ラーメン(内館牧子)/午後二時のラーメン屋(東海林さだお)/酒のあとのラーメン(村松友視)/タナトスのラーメン(千葉雅也)/屋台のラーメン(林静一)/仙台のラーメンとホルモン焼き(丸山健二)/焼き餃子とタンメンの発見(片岡義男)/そば大会(池部良)/日本ラーメン史の大問題(丸谷才一)/真夜中のラーメン(北杜夫)/ラーメンワンタンシューマイヤーイ(開高健)/「元盅土鶏麺」という名のソバ(古波蔵保好)/カルロ・パンティとベトナムラーメン(荒木経惟)/トルコ風ラーメン(馳星周)/あこがれのラーメン(藤子・F・不二雄藤子・F・不二雄A)/わが人生のサッポロ一番みそラーメン(森下典子)/ラーメン時代(曽野綾子)/仏陀のラーメン(沢木耕太郎)/ラーメンに風情はあるのか(吉本隆明)/最近の至福(江國香織)/ラーメン(石垣りん


『つやつや、ごはん』

新米の季節到来! 「ごはん」のおいしさを存分に伝えるエッセイ39篇を厳選収録。日本人の原点ともいえる「米論」からおいしい「ごはん」など、てんこ盛りの「ごはん」。食べ過ぎ注意のアンソロジー
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309023250/


 おいしい文藝シリーズの第3弾のテーマはごはん。白いごはんから、お粥、おむすび、チキンライスなどなどいろんなご飯に関するエッセイが揃い踏みです。実にお腹のすく本。
 いろんな話題があるなか、数点で最後の晩餐ネタがあったのですが、やはり日本人にとってのお米の存在って大きいんですかね。最後のご飯は豪華なものより普段食べ慣れたものがいいという考えになることが多いらしいけど。かくいう自分も最後に食べるのなら食べ慣れた好物がいいなあと思う。
 ご飯の炊き方について言及されているのもいくつかあったけど日本人なのだし、ご飯くらいはおいしく炊きたいものです。ああ、白いごはんと漬物食べたいです。


収録内容
新米は手づかみで(出久根達郎)/丼一杯おかず無し!!(東海林さだお)/「超おいしかった」体験(東直子)/最後のごはん(酒井順子)/ごはんの力(嵐山光三郎)/ほんとうの米(勝見洋一)/米―もちもちで夢ごこち(ねじめ正一)/駄食い三昧(色川武大)/お米(石牟礼道子)/米(今東光)/お米の話(北大路魯山人)/ごはん(幸田文)/御飯無情(群ようこ)/米論(内田百けん)/米にも鮮度はある(平松洋子)/昔のお釜、台所へ(堀井和子)/炊飯器(安野モヨコ)/米の味(畑正憲)/米の味(獅子文六)/ごはん(赤瀬川原平)/麦メシ(窪島誠一郎)/食い物をつくる 毎回ちがうのがうまいねん(黒田征太郎)/男ひとりのヤカンメシ(岡本喜八)/長方形の洋皿(山本一力)/チキンライス(池波正太郎)/新ライス料理(池澤夏樹)/醤油飯(立松和平)/藤代から土浦まで(山下清)/裸足の田んぼ(枝元なほみ)/まぜごはん(増田れい子)/粥をさがして(田中小実昌)/お粥の探求(島田雅彦)/湯漬け(三浦哲郎)/南仏のバカンスの味のするリゾット(鴨居羊子)/ごはんの話(遠藤周作)/ちがう、これじゃない(伊藤比呂美)/『おむすびコロリン』の災難(米原万里)/祖母の味噌むすび(辻村深月)/4月1日 おにぎり(穂村弘


『ぐつぐつ、お鍋』

「おいしい文藝」第4弾は、寒い季節に恋しくなる「鍋」をテーマにしたエッセイ37篇を集めました。だれと囲むか、何を入れるかなど、さまざまな「鍋」のバリエーションをたのしめます。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309023496/


 おいしい文藝シリーズ第4弾。お鍋にまつわるエッセイ集。豚肉と白菜のお鍋は私も好きなので、ちょこちょこ話題にのぼっててなんか嬉しい。どれもおいしそうなのですが、鍋の話なので冬に読むのが良さそうですね。


収録内容
小鍋だて(池波正太郎)/小鍋だて論(東海林さだお)/鍋(獅子文六)/河豚(吉川英治)/鳴るは鍋か、風の音か(神吉拓郎)/水戸・烈女と酒を飲む(抄)(宇能鴻一郎)/衝撃のスッポン初体験!(中村うさぎ)/ちゃんこなべで縁起かつぎ(石井好子)/「どぜう」文化(荻昌弘)/鏡花と突いた鍋(小島政二郎)/おでん恋しや(池内紀)/春のおでん(川上弘美)/すき焼き―父と二人だけの鍋(ねじめ正一)/ジンギス汗鍋(池部良)/よせなべ(久保田万太郎)/鍋料理の話(北大路魯山人)/鍋物で味わうマイホームの幸せ(檀一雄)/寄せ鍋嫌い(筒井ともみ)/あたたかい鍋(増田れい子)/鍋(安野モヨコ)/鍋奉行山口瞳)/鍋の季節(柴崎友香)/1月 お正月はナベだ!(中島梓)/きりたんぽ鍋、の巻。(本上まなみ)/鱈のこと(江國香織)/柳川なべ(沢村貞子)/豚しゃぶの本性~鍋の脇(阿川佐和子)/鍋にも色々(島本理生)/豚鍋(池田満寿夫)/私の自慢料理(城夏子)/納豆鍋(小泉武夫)/母の土産 フォンデュ鍋で意外な発見(森絵都)/鍋の奥は深い闇(椎名誠)/わが工夫せるオジヤ(坂口安吾)/空腹を呼ぶ鍋(酒井順子)/鍋 魔法をかけるのは蓋である(中島京子)/鍋の季節(岸本佐知子


『ぱっちり、朝ごはん』

その日の体調や気分を決定づける「朝ごはん」。あのひとは、どんな朝ごはんを食べているの? 書き手の暮らしぶりが透けて見える「朝ごはんエッセイ」35篇を収録した「おいしい文藝」第5弾。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309023755/


 おいしい文藝シリーズの第5弾。今までとちょっと表紙の感じが違いますね。落ち着いてるけどどこか可愛い前までの表紙も好きだったけど、今回の表紙はなんだかおいしそうですね。ちょっと路線が違うんですかね。
 今回のテーマは「朝ごはん」ということでいろんな著者の朝ごはんにまつわるエピソードが詰まってます。こう読んでみると、和式の朝食も洋式の朝食もどっちも甲乙捨てがたいですね。内容的にはやはり定番の卵料理と納豆の話題が多かったような。中には少し毛色の違うものもあって、ただの朝ごはんのことを書いてるだけではなく、どこか悲哀を感じるものも。大戦中から現代までいろんな朝の食卓の風景を見ることができます。あと、何人かのエッセイで触れられていたけど、普段朝食あまり食べられないのに、旅行先では食べられるのはなんででしょうね。


収録内容(タイトル少し省いたものも)
朝御飯(林芙美子)/朝は朝食 夜も朝食(色川武大)/喰べもののはなし(久保田万太郎)/朝食バイキング(角田光代)/イタリアの朝ごはん(よしもとばなな)/朝食のたのしみ(石垣綾子)/1日3食、朝ごはんでもいい!(堀井和子)/漆黒の伝統(森下典子)/日曜日の気配(井上荒野)/卵、たまご、玉子(佐藤雅子)/モーニング(万城目学)/朝ごはん日和(山崎まどか)/朝のうどん(吉村昭)/秋田は納豆王国(小泉武夫)/朝餐(山本ふみこ)/味噌汁(團伊玖磨)/二日酔いの朝めしくらべ(椎名誠)/大英帝国の輝かしい朝食(西川治)/オリエンタルホテルの朝食(東海林さだお)/牛乳、卵、野菜、パンなど(池波正太郎)/ヒロの朝ごはん(小林聡美)/豆乳の朝(阿川佐和子)/ハノイの朝は(蜂飼耳)/朝は湯気のご飯に納豆(渡辺淳一)/海苔と卵と朝めし(向田邦子)/卵かけごはん(河野裕子)/早春の朝ごはん(筒井ともみ)/白いお味噌汁(堀江敏幸)/卵かけご飯(窪島誠一郎)/さくらごはんを炊いた朝(増田れい子)/「きよや」の納豆汁(川本三郎)/朝のアジ(久住昌之)/霧の朝のハムエッグス(徳岡孝夫)/蝮と朝食(立原正秋)/二〇〇五年冬(佐野洋子