文字を食べる

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内田洋子『皿の中に、イタリア』

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青空市場で魚を売るカラブリア出身の強面三兄弟。リグリアのワイン工場の社長と“山のイカ”。サルディーニャ島出身の女性の手料理は羊のチーズとトマトソースの味。イタリア在住30余年の著者が出会った人々と食……そこから立ちのぼる“人生と心模様”を鮮やかに描く至宝のエッセイ集。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212476


 おもしろかった! エッセイだけど、まるで小説みたいですね。読みやすかったです。
 それにしても、イタリアって魅力的な国だなあ。自分の中のイタリア人イメージと良い意味で違う人が結構登場してきたりして、ちょっと驚きでした。

 タイトルからも察せられますが、この本は料理を中心とたエッセイ。聞きなれない料理がちょこちょこ登場します。その出てくる料理が、シンプルなものもおいしそうで。ただ、虫入りチーズは珍味と言われても、ちょっと勘弁って感じですが…。個人的に、何度か出てきた「パンにオリーブオイルをかけて、塩をふりかけたもの」がなんか気になります。

 食べ物のこともよかったですが、著者と人々の交流も温かくてよかった。カラブリア兄弟と魚と通したやりとりとか、日本人青年を預かったときの話とか。温かな気持ちになりました。


★読んだのはこちら。単行本の装丁好き。