文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

安澄加奈『水沢文具店』

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ポプラ文庫ピュアフル
副題:あなただけの物語つづります
イラスト:pon-marsh

仕事に悩む新人教師の栞が訪れたのは、ペンとノートを買うと店主が自分のために物語を書いてくれる、風変わりな文具店で・・・。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8111228.html


“ペンとノートをお買い上げの方、ご要望があれば話を書きます。オーダーメイドストーリー”
 店主が自分(客)のためだけにオリジナルの話をつくってくれるサービスがある一風変わった文具店が舞台の連作短編集。
 文具店の店主は無愛想な青年・龍臣。彼は昔野球で有望視されていたが、事故に遭って左足に重傷を負い、野球ができなくなってしまったという過去を持つ。文具店は祖父が遺したお店。
 そんな文具店を訪れたのが小学校教師の栞。そして張り紙にあるとおり、彼女のための物語をつくる。

 ままならない人たち皆が幸せになったわけじゃないかもだけど、それでも幸せになってくれたんじゃないかなと思える、不思議と晴れやかになる読後だった。
 龍臣と栞のふたり、かわいいなあと思いながら読んでいた。どうなるのかと思ったら、ラストににっこりしてしまった。

 それにしても水沢文具店いいな。子どもたちが集まる店ってのもいいし、文具のセレクト素敵な感じ。歩いていける距離にあると嬉しいかも。

目次

十二色のチョーク
花柄シャープペンシル
金飾りの万年筆
瞳の色のガラスペン
白いノート