文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち』

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装画:越島はぐ

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
これは“古書と秘密”の物語。
https://mwbunko.com/product/biblia/201101000190.html


 表紙の綺麗なイラストに一目ぼれ。
 あらすじ見てみたら、本がストーリーに関わるということで迷わず手に取りました。読みやすい文章ですぐに読めました。
 作中で、本そのものに物語がある、ということが度々出てきましたが、物語の方でも古書を中心にストーリーが進みます。この本の持ち主はどういった人か、どんな事情を持ってたのか、そんなことが古書からわかってしまう。栞子さんの洞察力、推理力には思わず目を瞠ってしまうようなものがあります。そして古書もが奥深い! 短編連作って感じで、何気にそれぞれのストーリーが繋がってるのもいい。古書を通して人の輪が繋がってくというか。ビブリア古書堂行ってみたい。

 ラストの大輔と栞子さんはバッドエンドを彷彿とさせましたが、エピローグでは…。大輔の就職先がどこになるのかはまだわかりませんが、丸く収まりそうでほっとしました。次回作の予定があるようなので、そちらに期待。あと、この作品の中で取り上げられた作品はまだ読んだことのないものばかりだったので、機会があれば読みたい。栞子さんの説明シーンを読んでたら、つい読みたくなってしまいました。栞子さんの本の虫度もよく伝わってきます。(※出版当時の感想です)


内容
 プロローグ
 第一話 夏目漱石漱石全集・新書版』(岩波書店)主に「それから」
 第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫
 第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
 第四話 太宰治『晩年』(砂子屋書房
 エピローグ


■その他登場する書籍一部。気になったのでメモった。
ピーター・ディキンスン『生ける屍』
梶山季之せどり男爵数奇譚


★その他関連リンク。(児童書、コミック、映画)実写化までして、人気ぶりがすごいなあ。