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道尾秀介『カササギたちの四季』

カササギたちの四季 (光文社文庫)

カササギたちの四季 (光文社文庫)

リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334766924


 道尾作品を読むのは2度目になります。『月と蟹』が初めて読んだ作品になるのですが、それとはまた随分違った雰囲気の話でした。どちらかというとコミカルで思わずつっこんでしまうような場面も多々あったり。登場人物たちのキャラづけも絶妙。バランスが取れてるなあと思いながら読みました。好きな感じの話です。面白かった!

 ストーリーは事件に出くわしたカササギの2人が首を突っ込み、華沙々木がデタラメな推理をして(でも一応筋は通っているのがすごい)、日暮が正しい推理をする、って感じなんですが…。とにかく日暮はすごいと思う。本人も結構大変みたいですが、まあよくやってると思う。華沙々木の間違った推理を都合の良いように操作したり…本当に涙ぐましい努力です。ラストの話では、華沙々木もまともな推理をしたのか!? と思ったけど、結局違いましたしね。あれはあながち間違いでもなかったんだろうけど。
 全体的にコミカル、というのは先にも書いたけど、割としんみりする場面もありました。菜美の家族のこと然り、他の事件関係者しかり。特に最後の話の手紙にやられました。ほんとああいうのは反則です。泣けてしまう。先の3話で、ボッタな値段で日暮と商売取引してきた住職だっただけに、色々ギャップがありますね。ドタバタコメディのような事をした後でしたし。そういえば、ラストでちゃんと1話の泥棒の伏線が回収されてましたね。ネーミングセンスに笑ってしまいました。


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