文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

市井豊『聴き屋の芸術学部祭』

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装画:スカイエマ
大学生が主人公

生まれついての聴き屋体質の大学生、柏木君が遭遇する四つの難事件。芸術学部祭の最中に作動したスプリンクラーと黒焦げ死体の謎を軽快に描いた表題作、結末のない戯曲の謎の解明を演劇部の主演女優から柏木君が強要される「からくりツィスカの余命」などを収録する。文芸サークル第三部〈ザ・フール〉の愉快な面々が謎を解き明かす快作、ユーモア・ミステリ界に注目の新鋭登場。著者あとがき=市井豊
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488441111


 作者のデビュー作らしい。
 一見、日常の謎って感じの本と思いきやしっかり殺人事件も混じっている。(結構の数が死んでいるのにあんまりそうは感じさせませんね)よくも悪くも手広いというか範囲が広い気がする。
 個性的なキャラが魅力的でとても好み。(「泥棒たちの挽歌」に出てきたテツとヤスよかった。ゲストキャラってやつだろうか)やりとりもコミカルでおもしろい。主人公の「聴き屋」という設定もおもしろいと思う。文字だけじゃなんなのかよくわからないところとか。やっていることはただ「聞く」だけなのに、なんかすごい。安楽椅子探偵っぽいですね。川瀬が探偵役と思いきや…って感じです。
 読みやすくておもしろかった。『放課後探偵団』という本に収録されている「横槍ワイン」という短篇も気になります。またシリーズ化になるということで、続編も楽しみ。

内容
 第一話 聴き屋の芸術学部祭
 第二話 からくりツィスカの余命
 第三話 濡れ衣トワイライト
 第四話 泥棒たちの挽歌


★読んだのは単行本。


★『放課後探偵団』

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