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松尾由美『花束に謎のリボン』

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装画:丹地陽子

私、桜井智花が働く花屋には、時々不思議なお客様がやってきます。渋い色合いの花束にまるでそぐわない派手なリボンを選ぶ男性。アマリリスの歌の歌詞をたずねにきた男の子……。そんな小さな謎を一緒に暮らす小説家の嘉信さんに話すと、彼は意外な推理を語り始めるのです。それが、素直にうなずけない話ばかりで──。 ほろ苦くて、でも温かい、連作恋愛ミステリー。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334763633


 花屋で働く智花が、その日起こった不思議なことを家にいることが多い小説家の恋人・嘉信に話し、その謎を彼が推理していく連作ミステリー。
 嘉信の推理は一応筋は通ってるんだけど、智花が作中でネガティブだと感想をもらすように、なんだかなあと思っちゃうようなものばかり。結局それが合っているのかいないのかは作中ではわかりません。個人的に真相がはっきりしないミステリーって、すっきりしなくて苦手。ですが、この作品に限ってはラストまでの流れから、そこまで気にならなかったです。登場人物の職業設定なども関係しているのでしょうか。
 途中、メイン2人の間の雲行きが怪しくなりましたが、なんとか持ち直しそうで何より。想像の余地もあるということで、とりあえず2人はうまくいっただろう、と考えておくことにします。

内容
 カリフォルニア・ドリーミング/アマリリス/アンダーウォーター/フラワー・イン・ザ・サン/穂状花序/楽園の鳥/賢者の贈り物

 作中には主人公が花屋で働いていることもあって、たくさん花が出て来るのですが、花言葉などの豆知識も含めてなかなか興味深かったです。ストレリチア、どんな奇妙な形をしてるのかと思って、思わずググっちゃいました。確かに変わった形をしてますね。あと、水中花も綺麗ですね。

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水中花 - Wikipedia