つまらない本しか置いてない、ツクツク図書館。職員も建物もへんてこぞろい。弱気な館長、運び屋、語学屋、戻し屋ちゃん…そこにある秋、ひとりの着ぶくれ女がやってきた。女は働かないで、わがまま放題。だけど、図書館にある"伝説の本"の話を聞いて…?奇妙でかわいくってクセになる。キリフキワールド、いざ、開幕。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784840121507
なんというか変わった話だと思った。シュールというのか…? それもなんか違う気もする。
つまらない本しかない図書館、変な職員たち…。おまけに図書館のつくりも変わってる。最初はちょっと微妙…なんて思って読んでいたのですが、不思議な魅力があって、気がついたら最後まで読んでました。
作中の本を読む猫がとってもキュートでした。読み終わったら栞がわりに肉球でぺたり、ってかわいすぎる。あと、着膨れ女の自分に正直なところはいっそ清々しいというか。「私は働きませんよ?」発言にはちょっと笑っちゃいました。じゃあなぜ仕事をやめないのだ、と思わないでもない。潔いなあ。でも、この女の仕事、つまらない本を読み続けるっていうのは、最後の方ででてきたけど、本にとってその作者にとっては結構重要なんじゃないかなと思った。
つまらない本しかないというツクツク図書館ですが、「待つ小説の部屋」だとか「小説家の小説の部屋」だとかあるテーマで本がまとめられているようで、どんな部屋があるのかなあと思うとなんだか楽しそうです。これはこれでちょっと行ってみたい気もします。
★単行本