文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

伊坂幸太郎『オー!ファーザー』

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父親が四人いる!? 高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父× 4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件──。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。
https://www.shinchosha.co.jp/book/125027/


 前々から伊坂さんの本を一度は読んでみたいと思っていて(人気ある作家さんだし)、やっと読むことができました。割と好きな感じでおもしろかったです。

 まず、父親が四人という設定にちょっとびっくりした。その父親たちが仲がいいのがまたおもしろい。結構仲悪くなりそうだけど…。
 こういう設定は他にもあるの知ってるけど、実際に読んだことはなかったので、どんな感じになるんだろうと思っていたのですが。四人の父親、主人公、まわりの友人たち……と味のあるキャラばかりで、読んでて楽しかったです。所々にある小ネタにくすりとさせられたり。伏線も各所に張られていて、それが回収されたときにははっとさせられました。殿様の電話事件とか。あれの顛末には笑いました。でも、曖昧に終わったまま(な気がする)伏線もあって、それがちょっと残念というか、気になるところです。

 振込み詐欺あたりは犯人の特定は難しいとは思うけど、富田林さんは結局あれどうしたんですかね。鱒二の父親が大ファンの野球選手だったから帳消しにしたんだろうか。でも、あれが帳消しされるのは鱒二の失敗くらいだと思うけれど。
 それぞれ得意分野が違う父親たちとその息子による捜査、脱出劇は面白かったです。父親たちが息子を大事にしているさまもよくわかりますし。また別の作品も読んでみたいです。