文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

柚月裕子『合理的にあり得ない』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

坂野公一/装幀

不祥事で弁護士資格を剥奪された上水流涼子は、IQ140 の貴山をアシスタントに、探偵エージェントを運営。「未来が見える」という人物に経営判断を委ねる二代目社長、賭け将棋で必勝を期すヤクザ……。明晰な頭脳と美貌を武器に、怪人物がらみの「あり得ない」依頼を解決に導くのだが――。美貌の元弁護士が、知略をめぐらす鮮烈ミステリー!
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190175


天海祐希主演のドラマを見て、原作が気になって読んだ小説。
著者の本は『最後の証人』を読んで以来。ずいぶん話の雰囲気が違うような? ドラマを見てから読んでみると、ドラマ版が結構アレンジされていることがわかる。たしかに原作どおりにしたらコンプライアンス? 的に問題ある場面もあるかもだけど。小説の方が好きかも。

探偵エージェントを運営している上水流涼子のもとには表沙汰にはしづらい訳ありな依頼が飛び込んできて…。いろいろ「あり得ない」依頼を二人が解決に導く。短編連作の痛快なミステリー。読みやすく、わかりやすく、一気に読めた。これぞエンタメ!

胡散臭い企業コンサルタントに将棋ソフト、麻薬の密売人に野球賭博。上水流さんの過去の事件にまさか貴山が関わっていたとは。
しかし、貴山は有能すぎる。依頼人のために選んで淹れたお茶を飲んでもらえず残念がってるところはなんかかわいい。
涼子と貴山のコンビがすごくよかった。2巻もあるので、そっちも読みたいなあ。

目次

確率的にあり得ない
合理的にあり得ない
戦術的にあり得ない
心情的にあり得ない
心理的にあり得ない

◯ドラマ公式サイト
www.ktv.jp


「合理的あり得ない」内に出てくる本が楽しそうだったのでメモ。奥さん、良い趣味してる!
パトリック・クェンティン『俳優パズル』

マージェリー・アリンガム『反逆者の財布』

ヘレン・ユースティス『水平線の男』
yahooで中古本が2万円超えでした。