文字を食べる

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沖田雅『オオカミさんと七人の仲間たち』

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絵:うなじ

大神涼子、高校一年生。子供も怖がる凛々しい目。笑うとのぞく魅惑的な犬歯。胸はないけど、とっても美人(?)でワイルドな女の子。赤井林檎、高校一年生。小さい背に、かわいらしい容姿。腹黒いけど、見た目だけは天使のような女の子。通称、赤頭巾ちゃんとおおかみさん。知る人は知っているが、知らない人はまったく知らないという微妙な知名度を誇る二人(+ヘンな仲間たち)が、やりたい放題好き放題に世直しのため戦う!
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784840235242


 御伽噺に登場するキャラをもじった登場人物たち。ヒロインは御伽噺の中でも悪い役を務めることが多い、オオカミをもじった大神さん。ちょっと珍しい感じがします。作者もあとがきで述べているように良い子でした。登場人物は味のあるキャラばかり。御伽噺が好きなのでとても惹かれるものがありました。町の名前とか学校や施設の名前もこだわってていい。
 アニメは数話見たことがありますが、神視点の地の文に各キャラのツッコミやコメントが入るのがなんかおもしろかったです。アニメも確かそんな感じの作りだった気がする。ナレーションにキャラのつっこみが入るっていう。普段小説ではあまり見ない感じがしました。ライトノベルならでは、って感じです。

 内容もおもしろかったです。御伽銀行……底が知れない。ヒロインの大神さんとヒーローの森野くんの関係も良いです。が、なんか最後の方が打ち切り間際のマンガみたいな駆け足展開のように感じられました。ちょっと大袈裟か。まあ、語られなかったエピソードはこれから出てくるんでしょうが。今回はあまり出番はなかったんですが、御伽銀行の先輩たちにも注目したいです。一芸に秀でているというか、ほんと個性的な人たちだと思う。