文字を食べる

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檀一雄『檀流クッキング』

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中公文庫
カバーデザイン:山影麻奈

この地上で、私は買い出しほど好きな仕事はない――という著者は、人も知る文壇随一の名コック。世界中の材料を豪快に生かした傑作92種を紹介する。
https://www.chuko.co.jp/bunko/2002/09/204094.html

 文壇随一の名料理人として知られる檀一雄による、料理本の名著。新聞で連載された、エッセイではなく料理の指南書。
 小さい頃に母が家を出ていったという檀一雄。父は料理ができず、外聞から手伝いを雇うこともできず、小さな妹たちもいるということで著者自身が料理をすることに。それもあって、料理好きになったというが…。

 それにしてもわかりやすい指南書だった。伝統的な和食から中華に韓国料理、スペイン、ロシア、ポルトガル…と様々な国の料理を網羅。梅干しは好きでも、自分でつくるのはちょっと…って感じだったけど、読んでたら梅干しに限らず、「できるのでは?」「なんとかなるのでは?」「作ってみよう!」という気にさせられた。解説でも指摘されてたけど、偉そうな、傲慢な感じがないのがいいのかも。懐が広い感じなのもいい。
 新聞で連載されていた当時、読者のみなさんも同じような気持ちになって、料理に取り組んだのかな。大切な本の一冊になりそうです。