ある町に元超エリートのイケメン、そして今はドラァグクイーンのシャールが営むお店がある。様々な悩みを持つ客に、シャールが饗する料理とは?
http://www.chuko.co.jp/tanko/2015/11/004788.html
タイトルの「マカン・マラン」はインドネシア語で夜食という意味らしい。そんな夜食カフェを舞台に、悩みを抱えていたり、心に傷を負った人たちと料理を通して交流をしていくという話。最近、料理で人の疲れを癒やす的な話が多いような気がしますが、かなり好みの話でした。そして癖がなくて読みやすいのも良かった。
登場人物はちょっと癖がある人もいますが、マカン・マランの店主であるドラグァクイーンのシャールさんはなんだかほっとする存在ですね。落ち着いた穏やかな話し方が好きです。本編読んだら、シャールの人望も頷けます。
春から始まり冬で終わる今作。シャールが抱えていること、店のことなど色々ありましたが、今までのお客さんたち総出で作るアドベントスープの存在もあってか、希望のあるラストだったような気がします。それにしても出てくる料理がどれも滋味あふれる感じでおいしそうです。こういう料理を私ももっと食べるべきなんだよなあと思う。こんなカフェがあったら素敵。疲れているときに読みたい本です。元気がわいてきます。