文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

渡辺優『ラメルノエリキサ』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

装画:稗田やゑ

「お前絶対ぶっ殺すからな!」女子高生・小峰りなは、夜道で背中を切られながらも、逃げる人影に叫んだ。退院後、りなは犯人を探すが、糸口は「ラメルノエリキサ」という犯人が残した謎の言葉のみ。そんな中、新たな通り魔事件が起こる。二つの事件を結ぶのはりなの元カレで!?
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?jdcn=08745700949215000000


 自分に害をなしたものにはきっちり復讐しないと気がすまない「復讐の申し子」(姉の言葉)・小峰りな。そんな彼女がある日、夜道で何者かに刺され…。ラメルノエリキサとはなにか? 犯人は?
 物語の勢いにぐいぐい引き込まれた。主人公の性格はとても良いとはいえないけれど憎めない。自分に正直でまっすぐで実に痛快。なんか好き。
 ミステリ小説というよりは青春小説。犯人もある人物の登場でこいつだな、となんとなくわかってしまった。ラメルノエリキサ、なるほどなあ。「エリキサ」で一応予想はしていたけれど。
 主人公の復讐癖にいろんな意味でドキドキしながら読んだ。ラストはどうなるかと思ったけど意外に後味は悪くなく、すっきりした読後感だった。しかし、小峰姉妹やばいな。この妹あればあの姉あり、って感じか。姉ちゃんも憎めないな。完璧な小峰ママの本性はどんななんだろと思う。こわい。
 主人公が音楽を好んで聞いていて、ちょこちょこ音楽の曲名が登場する。邦楽洋楽クラシック問わず。音楽好きはより楽しめるのかもしれません。


◯単行本