文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

青崎有吾『早朝始発の殺風景』

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装画/ラムネチョコ

青春は気まずさでできた密室だ――。
今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087443394


 殺風景って名字だったのか! おもしろくて一気に読んだ。
 不器用な高校生たちの、一風変わった? 密室ミステリー。電車、ファミレス、観覧車、レストハウスに病人の部屋。高校生らしい?気まずい密室から出たあと、彼らの関係や心情に少し変化が訪れるのがいいなと思った。

 エピローグでこれまでの登場人物たちがみんな出てきて、話のあとの彼らのその後が少しわかるのもよかった。
 それにしても殺風景さん、見事に(といっていいのか)仇討ちを果たしたんだなあ。執念だなあ。
 伊鳥くんは隠れミッキー増やせたんだろうか。気になります。

収録内容

 早朝始発の殺風景
 メロンソーダ・ファクトリー
 夢の国には観覧車がない
 捨て猫と兄弟喧嘩
 三月四日、午後二時半の密室
  青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ。狭くてどこにも逃げ場のない密室(p178)
  ↑の紹介文にもあったけれど、この一文がとても印象に残った。
 エピローグ


▼単行本の装画も好き。