「ぼたんどうろう」「耳なし芳一」をはじめ、知ってるようで意外と知らない名作怪談を多数収録。想像力溢れる奇想天外な物語世界が、子供の豊かな感受性を育む。
昔話、民話はもちろん古典怪談も大好きです。子供に語ってみたい~とタイトルにありますが、それだけに読み聞かせに向いてそうな話が集まってるように思われます。有名どころから、あんまり怪談っぽくない可笑しな話まで色々あって面白かったです。全体的に淡々としている語り口ですが、それが逆に怖かったり。怪談なだけに、結構残酷ともいえる場面があるので、こんなの子供に語っていいんかい、と要らぬことをつい考えてしまいます。けど、自分も小学生のときはよく学校の怪談シリーズとか、怖い話を読んでたので、やっぱりこういう怪談は子供も好きそうですね。続きが聞きたいような聞きたくないような、あのわくわく、ドキドキ、はらはらが詰まってるのがいいんですよね、きっと。
収録されてる話は↓のとおり。幽霊の話、もののけの話、などテーマごとに大まかに分類されているので、自分の気になるものだけ読むことも可能です。
収録作
※作者などは割愛。
- 「逆さまの女」
- 「妻の死体にまたがった男」
- 「破られた約束」
- 「ノツゴ」
- 「吉備津の釜」
- 「生きたまま怨霊になった上皇」
- 「かさねが淵」
- 「青頭巾」
- 「耳なし芳一」
- 「悪鬼に食われた初夜の妻」
- 「生まれた子の寿命を言い当てた男」
- 「板におし殺された侍」
- 「蛇の幽霊」
- 「蛇の子を産んだ娘」
- 「人面瘡」
- 「橋で待つ貴女」
- 「幽霊滝」
- 「雪女」
- 「地獄から妻を訪ねてきた男」
- 「ともしびに映って死んだ女」
- 「ダイバ風」
- 「ぼたんどうろう」
- 「世にも美しい尼」
- 「ドクロの盃」
- 「かなえが頭から抜けなくなった法師」
- 「かぶらと交わって子を作った男」
- 「亀に唇を食われた男」
- 「菊花の約束」
- 「乳母桜」
「かなえが頭から~」と「かぶらと交わって~」と「亀に唇を~」の三作は怪談だけど、怖いというよりは間抜けだなー、という感想を持ちます。というか今昔物語集はカオスだなー。