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ヒュー・ロフティング『ドリトル先生のキャラバン』

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訳:井伏鱒二

サーカスの団長になってキャラバンの旅をつづけるドリトル先生たちは,ついに世紀の名歌手カナリアのピピネラに出会ったのです.
https://www.iwanami.co.jp/book/b269501.html


 『ドリトル先生のサーカス』の続編。カナリアのピピネラの身の上話がメインで、それをもとにドリトル先生カナリア・オペラの制作をする。カナリアは雌も歌を唄うというくだりは、もっともらしい言葉になんか納得してしまいました。気高いピピネラは、女性としてなんだか綺麗でかっこいいです。

 で、カナリア・オペラの出来といえば、作中では賛否両論で極端な感じでしたが、目新しくて楽しそう。いろんな鳥が舞台で歌を歌う姿、見てみたいものです。チープサイドの指揮者姿も気になります。
 ガブガブが「食べ物オペラ」カナリアオペラに対抗してなのか提案していましたが、作中での他の動物たちからの扱いはぞんざいでも、少し気になります。楽しそうで。でも、わざと立てられたスープの音はやっぱり下品かも? ガブガブは愛すべきお馬鹿です。ダブダブの苦労が忍ばれますが。マシュー・マグの機転もあって、かなりお金は稼げたとは思いますが、どうなんでしょう。彼は問題もあるけど、頼もしい友人ですね。
 サーカスが終わってしまうのは寂しいものがあります。ラストの子どもたちとのシーンはなんだかしんみりしました。


角川つばさ文庫

○角川文庫版