訳:井伏鱒二
月へ行ったきりのドリトル先生の帰りを待ちわびていた動物たちは,月食の晩,ついに月からの合図を見つけて大よろこび.ところが巨大なバッタにのって帰ってきた先生は,なんと6メートル近い巨人に…….
https://www.iwanami.co.jp/book/b254714.html
ドリトル先生がついに月からバドルビーへ帰ってきました。スタビンズ君や動物たちの喜びはいかほどだったでしょう。読んでてこっちまで嬉しくなりました。スタビンズ君がいない間の月での話はなんだか寂しかったけど、ドリトル先生と月の巨人とのやりとりは印象深いです。解説でも触れられてたけど、紳士的。
それにしても、ドリトル先生は本当に休む暇がないというか、自分だけの時間が作れない忙しい人ですね。それだけ慕われているってことなんですけど。月に関する本を書くために落ち着いた場所に行きたいということで、がんばって刑務所に入ろうとする先生には笑ってしまいました。普通はがんばって入るところではない。
と、ちょっと迷走する先生だけど、結局バドルビーの家に落ち着くことに。まわりの動物たちもこれは嬉しいですね。スタビンズ君のがんばりのおかげです。動物語を理解し、動物の治療も受け付けるようになった彼は、先生の立派な助手です。いや、もう先生でしょうか。ともかく今回も楽しかったです。
○角川つばさ文庫版
○角川文庫版