文字を食べる

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風野真知雄『猫鳴小路のおそろし屋』

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装画:小林万希子

江戸は新両替町にひっそりと佇む骨董商<おそろし屋>。光圀公の杖は四両二分……店主・お縁が売る古い品には、歴史の裏の驚愕の事件譚や、ぞっとする話がついてくる。そしてこの店自体にもある秘密があって……?
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321409000087/


 猫鳴小路(路地裏)にある、曰く付きの骨董を扱う「おそろし屋」。店主のお縁が客を選んで売る品物にはびっくりするような話がついてきて…。そんな骨董にまつわる事件の話、因果の話が本編で語られる。
 武田信玄水戸黄門北斎、佐藤中将…どの品の話も少し恐ろしい。フィクションだとはわかっていても色々と考えてしまう。特に黄門様の杖の話にはかなり衝撃を受けた。御老公に対する目が変わってしまう…。

 1~3話と4話で舞台が江戸から現代にとんで何事かと思ったけど、「おそろし屋」の伏線のためかと納得。「おそろし屋」にはどんな謎があるのか。お縁とは、月岡とは一体何者なのか。いろいろ気になるところです。