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宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』

ある日おちかは、空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。人を恋いながら、人のそばでは生きられない<くろすけ>とは……。 宮部みゆきの江戸怪奇譚連作集「三島屋変調百物語」第2弾、待望の文庫化。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321206000226/


 装丁が可愛かった、というのが読む切欠だったんですが、どうやらこれシリーズの2作目のようで。まあ、前作の『おそろし』を読んでなくても十分楽しめましたけれども。いずれ、こちらも読みたいなと思っています。

 色々あって、百物語を聞き集めている三島屋のもとにやってきた4つの物語。百物語なだけに怪異の話が中心なんですが、幽霊や人ならざるものの話より、人間の欲だのなんだのが書かれている話の方が怖かったです。「薮から千本」「吼える仏」がそうですね。
 他の2編、人ではないものとの触れ合い(と書くとちょっと違うような気もする)が中心の「逃げ水」「暗獣」は怖いというよりは可愛くてなんか和んでしまった。といっても、「逃げ水」「暗獣」も切ない部分も多いんですが。誰からも必要とされなくなった(土地)神さま、屋敷の人恋しさから生まれたくろすけ。「暗獣」はくろすけのことを考えるとほんと切ないです。そういえば、「暗獣」といえば、タイトルの『あんじゅう』はこれから来てるんですね。てっきり「安住」かと思ってました。

 物語を進める三島屋、周辺の人々が個性的で生き生きとしていて良かった。途中からお勝さんや、寺子屋の若先生なんかも脇に加わって、ますます場が賑やかなな感じに。(2人とも口数が多いわけではないが)おしまさんとお勝さんの凸凹コンビはなかなか良いなあと思う。人間関係の進展も気になるところがありますし、またこの三島屋さんの百物語を読みたいなあと思ったり。
 あと最後になりますが、表紙もさることながら本編の挿絵もとても可愛らしかったです。開く度にイラストが見れるのが素敵です。イラストだけでも楽しめてしまうという。(※感想は単行本を読んだときのものです)


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