絵:越島はぐ
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは──今はただ待ってほしい、だった。
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そろそろラストに近づいてきた感じでしょうか。今回もおもしろかったです。
話に登場する本の裏側にある持ち主のエピソードは、どれもどこかしんみりする感じのものでした。今回はいつもの五浦くん視点の本編の他に、他の登場人物視点の断章が混ざっている構成で、なかでも栞子さん視点は新鮮でした。
ついに栞子さんの五浦くんへの気持ちが判明! 母のようになるのではと不安に思う栞子さんに対する五浦くんの答えが彼らしく、はっとすると同時に微笑ましくなりました。本に対する興味は五浦くんもやはり大きいんですね。
栞子さんの母さんはまだまだ謎を残していますが、結構身近な人たちと接触していたのですね。メイン2人の今後とともに智恵子さんとの関係も気になります。あと、今回はラストもどこか不穏な感じで(少し忘れかけていた『晩年』の田中の件)、次巻がとても気になります。
内容
プロローグ リチャード・ブローディガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)
第一話 『彷書月刊』(弘隆社・彷徨舎)
第二話 手塚治虫『ブラック・ジャック』(秋田書店)
第三話 寺山修司『われに五月を』(作品社)
エピローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)
間に断章。