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椹野道流「最後の晩ごはん」シリーズ 読了記録

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 椹野道流著、「最後の晩ごはん」シリーズの読了記録まとめ。途中まで

 装画:緒川千世

椹野道流「最後の晩ごはん」シリーズ

『最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵』

ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれた、若手俳優の五十嵐カイリ。全てを失い、郷里の芦屋に戻った彼は、定食屋の夏神留二に救われる。彼の店で働くことになったカイリだが、とんでもない客が現れ……。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321405000122/


 料理が出てくる本が好きなので読んでみましたが、思ったのと少し違ったかも。
 定食屋の店員たちと常連客の織りなす人情劇なのか、ちょっと不思議な話なのか。元イケメン俳優である主人公の成長を描きつつ、ロイド眼鏡付喪神のロイドと一緒に料理を通して問題を解決という感じなのでしょうか。最後の晩ごはんってタイトルもそういう関係か。話はほっこり系です。さらっと読めるし、内容自体は楽しんで読みました。ラストのだし巻き卵の話をちょっと切なかったです。
 主人公がやや幼い感じなので、定食屋の店主のどっしり構えてる(頼りになる)感じとかロイドの飄々とした感じがいい味出してたと思う。続きはいくつか出てるみたいなのでそちらも読んでみたいです。芸能界のことはともかく、海里が家族とちゃんと話ができる日が来るといいのですが。


『最後の晩ごはん 2 小説家と冷やし中華

真夜中営業の不思議な定食屋、ばんめし屋で働き始めた、元イケメン俳優の五十嵐海里。常連客の作家・淡海先生とも仲良くなり、順風満帆のはずが、後輩の若手俳優が店を 訪れたことで、またもや嵐が巻き起こり……。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321405000123/


 シリーズ2巻目。前巻を読んだときは、いろいろな要素詰め込みすぎでは? と少し思ったものですが、方向性はなんとなくわかってきました。いろいろあって強い思いを現世に残している幽霊とその身近な人を料理を持って、心ほぐしていくみたいな感じなんですね。
 今回は前の巻でもちょろっと登場した小説家である淡海先生がメイン。彼が住んでいる屋敷のこととか何かあるだろうとは思ったけれど、こんな家族事情があったとは…。冷やし中華のエピソード、兄妹愛にほろりとしました。そして、海里が作った冷やし中華の味に対する評価にくすっとしました。

 話の筋としてはあまり関係ないかもしれませんが、マスコミがばんめし屋に押し寄せる件は読んでて少しイラッとしました。礼儀を知らない振る舞いなどエトセトラ。でも、しっかりとした態度で対応していた海里に前回からの成長を感じました。そんな主人公の成長も見られて何より。ついでにロイド眼鏡付喪神のロイドも変な方向で成長しています。ロイドさんは最終的にどこまでできるようになるんだろう。夏神さんに複雑な過去があったらしいこともわかったし、続きはどうなるのか。次の巻も楽しみです。


『最後の晩ごはん 3 お兄さんとホットケーキ』

夜のみ営業の定食屋で働く、元イケメン俳優の海里のもとに、ある女性がやってきた。獣医だという彼女は、なんと海里の兄・一憲の婚約者。しかし海里と一憲はケンカ別れをしたきりで……。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321405000124/


 3作目。夏神の隠していた過去を知り、海里が兄と歩み寄るという、たぶん重要な巻。新キャラのお姉さんが素敵な人でした。ちょっとお節介なところがあるかな、とも思ったのですが、彼女の生い立ちを知ると海里たち兄弟の仲を気にするのも無理はないです。今後もじわじわと兄弟仲の溝を埋めていってくれそうですね。2人もそれなりにお互いを考えるようにしたみたいだし。ホットケーキおいしそうでした。開催されるホームパーティーが和やかなものになるといいです。

 夏神さんの過去はなかなかに辛いものですね。前回の記者の台詞から色々と想像はしていたのですが、仲間の中で自分だけが生き残ってしまうというのは…。自分に憤る夏神に対する海里の台詞が不器用ながらも温かくて、なんだか心にしみました。
 このシリーズ、まだ続いているみたいですが、今後はどういう展開になるんでしょうか。それにしてもロイドはいい眼鏡です。