文字を食べる

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ヒュー・ロフティング『ドリトル先生のサーカス』

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訳:井伏鱒二

航海から帰ってまた一文なしになったドリトル先生と動物たち.ついにみんなでサーカス団に入ることにしますが,サーカスの動物たちのひどい暮しに大憤慨.あわれなオットセイ脱出のために,先生の大冒険がはじまります.
https://www.iwanami.co.jp/book/b269499.html


 やっぱりドリトル先生のシリーズはおもしろい!
 話の半分くらいは、ドリトル先生がサーカスで出会ったオットセイのソフィーとの脱出劇。はらはらどきどきの連続です。途中、馬車の中でソフィーを人間の婦人のように見せてやり過ごすシーンがあったけど、気づかれないものなんでしょうか。崖から海へ飛び込んだソフィーを人と見間違うのはなんとなくわかる気がするけど。遠目で、人の服を身につけていれば。ともかく無事脱出達成できたときはほっとしました。先生には災難が残ってましたが…。この逃避行にいつもの先生の家族たちだ誰もついてきていない、というのがなんだか新鮮な感じでした。

 で、サーカスですが。先生たちが考えた新しいサーカスはとてもおもしろそう。お客さんに無料でお茶を出したりとか、おもてなしの精神がすごいというか。みんながみんな生き生きしている描写もよかった。パドルビーのだんまり芝居はぜひ見てみたいものです。動物たちが愛らしく劇をしているさま。見ることはかなわないけど、想像するだけでも楽しそう。ドリトル先生ならではのサーカスでした。
 しかし、なかなかお金たまりませんね。たまっては消え、たまっては消え、ダブダブも大変です。


角川つばさ文庫


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