眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎。しかしある嵐の日、同級生の夢生はその悪魔のような本性を垣間見る――。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
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この作者の本は『ぼくは勉強ができない』しか読んだことがなかった。
読んだのは単行本。黒い表紙がなんかかっこよくて手にとったもの。だから内容の予備知識(?)もなく読み始めたのですが…。
どうも苦手要素が多く、地雷原に踏み込んでしまった気分になりました。同性愛とか性描写とか色々。読めないわけではないのですが、読みたくはなかったというか…。そんな感じでしたが、この作品には不思議な魅力があって続きが気になってしまい、結局は最後まで読みました。怖いもの見たさみたいな好奇心がわきまして。完全無欠と思われるジェントルマンの裏側の顔。すごい話だ…。歪んでる。
誰も報われないような後味悪いラストだったけど、まあこうなっちゃうよなあ、とは思う。あんなジェントルマンは嫌だ。夢生のラストの行動には驚かされた。鋏…ヒエッってなりました。
★単行本