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山田永『日本神話とアンパンマン』

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七一二年に成立した我が国最古の書物『古事記』をはじめとした日本の神話的世界と、『それいけ!アンパンマン』のアンパンマンワールドに何の関係があるのか?不思議に思われる方はぜひしばらく本書とお付き合いください。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087203523


 この本を見かけたときに思ったのは上記の内容説明のとおり、「えっ、日本神話とアンパンマン? どんな関係が??」という疑問でした。日本神話とアンパンマンの共通点なんて1つも思いつかなかった。本を開いて目次を見てみれば、そこにはスサノヲとホラーマンの類似性がどうのこうの…。その2人も全く共通点なんて思い浮かびませんでした。で、気になって読んでみようということになったのでした。

 共通点なんてないだろうと思っていたのですが、読んでみるとアンパンマンの世界と日本神話の世界、意外と共通点があるようです。図なども使ってわかりやすく説明されています。アンパンマンを知っている人はそこから、知らない人でも日本神話の大筋や仕組みがわかるかと思います。バイキンマンドキンちゃんでヒメヒコ制の説明とか。
 日本神話はそれを聞くだけでは、神様の名前とか難しいし根底にある思想のようなものがこれまた難しく思われたりするのですが、読んでみると結構面白かったりします。なので、ちょっと読んでみたいなあ、なんて方の入門書にいいのかもしれません。アンパンマンに出てくるキャラクターたちがまた親しみを持たせてくれますし。
 また、所々にある著者のぼやきというか『アンパンマン』という作品に対する素朴な疑問が面白かったりします。私が疑問に思ってたことも、やっぱり著者も疑問に思ってたようで思わず笑いました。