文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ (1)』

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イラスト:にしけいこ

創也(頭脳明晰)×内人(平平凡凡?)。
謎の天才ゲームクリエイターをさがすふたりの行く手には、多くの危険が待っていた。
知恵と工夫の新・冒険記が、いま、はじまる!
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000181875


 はやみねかおるさんというと、昔「夢水清志郎シリーズ」を読んだ思い出があります。読んだのがかなり前のことで最早内容ほとんど覚えてないのですが、熱中して読んだことだけは覚えています。そして、今回こちらの本も熱中して一気に読みました。面白かったです。

 主人公は自ら平凡と称す内藤内人と、頭脳明晰な竜王創也の2人。はっきり言って性格は全然違うし、最初の部分だけを読んだだけではとてもじゃないがこの2人が上手くいくなんて思えない。でも、これが結構しっくりきてるんですよね。本文中で内人くんが僕の我慢強さがなければ云々と言ってますが、それだけでもないと思います。創也くんが知識以外の点で意外と抜けたところがあるからでしょうか。容姿端麗で頭脳明晰だけど、完全無欠ってわけでもないというところが良いと思います。紅茶に並々ならぬ(笑)こだわりを持っているところがなんか可愛いと思います。

 一方、内人くんの方もただの平凡な少年ではありません。読んでいるとわかるのですが、創也くんが持っている知識とはまた別の、サバイバルに関する知識を彼はたくさん持っているようです。その知識を活かせる場があるかわかりませんけど、読んでいると豆知識が増えます。キーは彼のお祖母さんでしょうか。
 本文の中では2人のやり取りによく(ピンチのときに)出てきたりするのですが、お祖母さん単体については多くは語られてなかったように思います。でも、この方の存在は内人くんにとっては大きな存在のようです。

 設定の話だけでたくさん書いてしまった感がありますが、これからが本題でこの話は2人が所謂冒険をする話。2巻まで真相は持ち越しのようですが、5番目のゲームの製作者・栗井栄太という人物を探すのが目的です。本文中にいくつか伏線がはってあるようですが、次回の巻までお楽しみはとっておこうかと。(推理を投げただけともいう)
 この話には冒険要素とともに軽いミステリー要素も入ってて、本文の中に散りばめられたトリック(アイテムや暗号)の関連性を見つけたときに思わずにんまり。特に暗号のところが。あれの効果に気づくと例の結果も自ずとわかってくるわけで、次の展開が無性に楽しみになったりします。
 軽快な文章が読みやすく好みでもありました。表紙や挿絵のイラストも可愛らしい。児童・YA向けですが、大人でも楽しめると思います。また見た目厚めの本ですが、意外とあっさり読むことができます。


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