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神永学『確率捜査官御子柴岳人 密室のゲーム』

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装画:カズアキ

アンニュイでミステリアス、そして、少年と大人が同居するエキセントリックな数学者、その名は御子柴岳人。警視庁に新設された「捜査一課特殊取調対策班」を舞台に、御子柴岳人の鋭い推理が冴え渡る!
https://www.kadokawa.co.jp/product/201003000217/


 「八雲」シリーズが好きで、なんとなく気になったので読んでみました。事件の推理をしていくキャラがすっごく理系の数学者ということで、事件も数学的観点から検討。文系の私にはちょっと小難しい感じもしましたが、なかなかおもしろかったです。

 推理、犯人特定のために重要な手がかりを捜す方法として、現場に何度も足を運んで調査、周辺で聞き込み調査をして…というの大体の主要方法だと思うんですけど、この話の中の舞台はほとんど取調室。元々被疑者がいて、その供述が正しいかそうでないかの判断をする、という役割が主人公たちの部署にあるからなんですけど、それが中々新鮮でした。安楽椅子探偵ともちょっと違う気も。こういうのも意外とありかもしれません。

 ただ、好みは分かれるかも? 作者の他の作品のキャラより主人公のキャラの癖が強いような気がします。良く言えば、とても個性的ってことなんですが。苦手な人は苦手かも。私もちょっと最初は微妙に思いましたし。御子柴と友紀の何度も繰り返される同じやり取りにもちょっと辟易。あと、なんかデジャヴるなあと思ったんですが、ちょっと八雲シリーズの八雲と晴香に似てるかも。御子柴はなんか突き抜けてる感がありますが。過去のこととかも考えてみるとやっぱり似てるような。そういえば、八雲シリーズから石井くん、八雲、晴香がほんの少しゲスト出演してました。

 事件の方は割とわかりやすかった。けど、一つの繋がりが見えたときはなかなか面白かった。あんまり詳しく書くとネタバレになるので割愛。友紀の父の事件が無事解決するといいなあと思う。

 

★単行本