文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

長野まゆみ『レモンタルト』

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「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」
ひとつ屋根の下に暮らす義兄と弟。ミステリアスでスウィートな連作短編集
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000206084


 本の装丁が好みなので手に取った本。長野まゆみさんの本は好みな表紙なことが多いので、いつも眺めるだけで楽しくなります。
 話の雰囲気は初期の頃のような感じ(幻想的というのか)がどちらかというと好きですが、この本みたいな感じのものも悪くはないなと思う。主人公などの人名があまり使われていないのがいい。確か、主人公の名前が初めて出たのは中盤も過ぎたころのような。

 主人公はよくも悪くも普通の青年ですが、なんというか出てくる男キャラがゲイが多いので苦手な人は注意が必要。女性キャラほとんど出てこないし。(出てくる女性はそっちの方に理解がある)女性があまり登場しないのは以前からのようにも思いますが。
 色々と匂わせる表現が増えたなあという印象。主人公も主人公で義兄が好きだというし、シリーズだったら今後どうなるんでしょうかね。義兄は設定でも読んだ印象でもかなりの良い男に違いないので、そっちの気がある主人公が好きになるのも無理はないと思いますが、義兄の彼には姉側でいてほしいと思う。