弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。
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おもしろかった!
ラストの二転三転するどんでん返し。法廷シーンも臨場感があるというか。話にぐいぐい引き込まれる。作者の本は今回が始めてですが、以前に音楽関連の言葉が本のタイトルに使われていたのは知ってます。今回もついてますね。音楽が好きなのでしょうか。御子柴が1人の少女が弾くピアノに心を動かされる、そんな場面はあったけれど。
読後に切ない物悲しい余韻。事件も物悲しいものがあった。作中の御子柴の行動、彼の過去などを考えるとタイトルの「贖罪」、ラストの渡瀬の「きっと自分が救われたかったんだろう」がもうすべてのような。
主人公はなんかブラックジャックを思い出した。よく考えてみれば全然違うような気もするけど。初っ端が死体遺棄場面だったのでどうなることかと思ったけど、事件全容知ってちょっとほっとしました。刺されたのちの彼の安否が気に掛かります。主要キャラが良い感じだったので、このまま終わるのはちょっと淋しい気もします。
(※読了時はまだ他のシリーズは刊行されていませんでした)
○単行本
贖罪の奏鳴曲/講談社/中山七里
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