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唯川恵『さよならをするために』

 

まるで「さよなら」をするために恋をするような…ちょっとせつなくて、心に痛い五つのラブ・ストーリー
http://bunko.shueisha.co.jp/0205/special.html


 「さよなら」をもとにした5つの短編集です。「さよなら」がテーマの話なので、悲しい恋の話なのかとも思うけれど、主人公たちは後ろ向きというわけではなく、前向きでもあります。本文中の「まるで、さよならをするために恋をするよう」と後書の中の「そのさよならが、新しい恋の始まり」という文がこの短編集の中にある主人公たちのストーリーをよく表しているように思います。

 主人公の女性は皆、大学生だったり社会人だったりと20代女性のようです。主人公達の恋愛に関する考え方とか「さよなら」をするための葛藤だとかは共感できるものがあると思いました。特にラストの「やっと言える、さよならが言える」が好きです。自分でも認めたくないけど好きになった男とすっきり「さよなら」するために彼女がとった行動。なんかかっこいいなあとも思いました。

 作者の方はこの本を

どこかひねくれていて、疑い深く、臆病で、自意識が強く、自己分析が好きで、ささやかなプライドにいつも縛られ、男の人の前で女らしく振る舞うことに抵抗があり、たまに褒められると怒った顔をしてしまい、お喋りが過ぎた夜は自己嫌悪で眠れなくなり、さよならを言われてすがることもできずそれでいて諦めることも出来ず、もう恋なんか二度とごめんと言いながらやっぱりまた恋をしてしまう

 という女性たちに捧げるとのこと。全部とは言わなくても誰しも(女性でなくても)この中に当てはまる自分はいるのではないでしょうか。


○この本、いろんな装丁で出版されてるんだなあ。私が読んだのは↓でした。個人的にはこちらが好み。