文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

柴田よしき『ぼくとユーレイの占いな日々 石狩くんと株式会社魔泉洞』

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装画:平沢下戸

徹夜のアルバイトを終えた石狩くんが出逢った、冗談みたいな厚化粧の女。彼の過去の行動を当てる彼女は大人気占い師、摩耶優麗だった! 石狩くんはある事件をきっかけに優麗が率いる占いの館・魔泉洞に就職してしまう。次々に持ち込まれる不思議な事件を鮮やかに解くユーレイの名推理と、超個性的な面々に振りまわされる石狩くんの受難の日々を描いた、ユーモアミステリ短編集。
(引用元 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488440022


 いわゆる安楽椅子探偵もので、人の死なないミステリー。
 目次の「時をかける熟女」にふふっとなりながら読み始めたのですが、中身もおもしろかったです。特に登場人物が好きです。間が抜けてるけど真面目な青年の石狩くんに、大人気占い師のユーレイ先生、そして魔泉洞のあらゆる業務をこなすウサギちゃん。どのキャラも個性的で、やりとりなんかも楽しかった。全然違う性格なのにうまく噛み合ってる感じもいい。
 優麗先生は観察眼が鋭くて、洞察力があるということで数々の事件をさっと解決したわけですが。石狩くんが最初から言ってたように、やっぱり超能力なんてなかったんですかね。優麗先生ならぱぱっと過去に飛ぶことくらい朝飯前だろう、なんて思えちゃうから不思議です。占い師ってすごい、とまとめておきます。楽しかった!

収録
 時をかける熟女
 まぼろしのパンフレンド
 謎の転倒犬
 狙われた学割
 七セットふたたび

 

★単行本のタイトルは『謎の転倒犬』
(装画:the GARDEN 石川絢士)