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加納朋子『月曜日の水玉模様』

月曜日の水玉模様 (集英社文庫)

月曜日の水玉模様 (集英社文庫)

 

 

一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件"の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。爽やかでちょっとほろにがい、お仕事ミステリの傑作。(解説・西澤保彦)
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=4-08-747374-0


 おもしろかった! ミステリなんだけど、ハートウォーミング本というか。OLの主人公・陶子の日常生活を主とした連作集。ミステリだけど殺人事件は起こりません。ミステリ苦手な人も楽しんで読めるのでは。優しくコミカルな話。

 事件はひょんなところから陶子のもとに転がってきます。たとえば通勤列車の中、病院、出張先への電車エトセトラ。主に事件を運んできたのは毎朝電車の中で会い、ちょっとした経緯があって知り合いになった萩からですが。
 この作品、事件はそんなに大したものではないのです。窃盗も立派な犯罪ですけど、血は流れませんし、直接警察などの介入もありません。成り行きで陶子が推理をするというのが多かったように思います。

 魅力的なのは事件だけじゃなくて、何よりも登場人物たちにあると思います。きりりとした強い女性、でも誰よりも優しい主人公の陶子。いつもにこにこ、頼りなさそうに見えて見ている部分はちゃんと見ている萩。親父ギャグばかり言う上司に甘えたな後輩、タヌキのような社長などなど。陶子が勤めている会社はなかなかアットホームで楽しそうです。話に出てきた登場人物が別の話にも出てきたりすると嬉しいですね。こんなところに伏線があったんだな! と些細なことに驚かされたりもしました。(実は2人は会ったことがあった、とか)何より陶子と萩の関係が良いです。出会い方も。2人はこれからどうなるんでしょうかね。陶子さんはまんざらでもなさそうな感じだったけれど。

★読んだのは単行本でした。(リンク先は楽天。中古本)