文字を食べる

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森福都『ご近所美術館』

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装画:オオタガキフミ

(前略)恋する青年が美術館専属の探偵となって奮闘する、ほんわか連作ミステリ。解説=大矢博子
(引用元 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488447113


 美術館が舞台。さくっと読めるミステリ短編連作集。気軽に楽しめるのが短編連作のよいところだよなあと思う。
 登場人物のキャラが立っていて読んでいておもしろかったです。特に探偵役の海老野くんこと「海老のん」と川原姉妹の妹のあかねこと「あかねぶー」のやりとりが好きです。この二人、結構いいコンビだよなあーと思っていたら、終盤で…。

 内容紹介でなんとなく日常の謎系を扱うミステリなのかな? と思って読んでたのですが、ほんわかするものもあれば人の死が関わってくるものなんかもあったり、様々な題材を扱っていて読み応えがありました。女子高生と父親がメインの「マーカー」や最後の話「スケール」が個人的に好きです。
 話を読んだ感じ、続きが出そうな気がしないでもないですが、どうなんでしょう。作中の美術館好きだし(こんな美術館が近所にあったら楽しそう)、常連さんも気になる人多いし、海老野の恋の結末とかあかねのこととか菫子さんのこととか登場人物たちの今後が気になります。

 

★単行本も素敵。(装画:オオタガキフミ)