あまりに美味いのは危険じゃ。池波正太郎「看板」、筒井康隆「人喰人種」、尾崎 翠「アップルパイの午後」、山田風太郎「慶長大食漢」、伊藤 礼「狸を食べすぎて身体じゅう狸くさくなって困ったはなし」、火坂雅志「羊羹合戦」、日影丈吉「王とのつきあい」
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784101397306
食べ物関連の話を読むのが好きなので、タイトルの「まんぷく長屋」と食欲文学傑作選という響きに惹かれて読みました。
おいしそうな食べ物が出てくると思ってたのですが…。なかなか油断のならないアンソロジーでした。「食欲」ってところがみそなのかも。収録作のタイトルを見ればなんとなく察しがつきそうなものもありますが、人を食べる内容のものがいくつかあり、結構生々しい描写もあるので苦手な人は注意が必要そうです。
後書きにさらっとあらすじが書かれているので、ネタバレが気にならない人は見てみてもいいかも。「王とのつきあい」は特にずっしりきました。食前食後に読むのはほんとダメそう。「羊羹合戦」に出てくる羊羹はおいしそうだったのですが。
おいしそうな食べ物描写を期待していたので、そういうのが少なめだったのは残念でしたが、いろんな内容の話を楽しめたのはよかった! 「アップルパイの午後」が結構好きな感じでした。
収録
「看板」池波正太郎
「人喰人種」筒井康隆
「アップルパイの午後」尾崎翠
「慶長大食漢」山田風太郎
「狸を食べすぎて身体じゅう狸くさくなって困ったはなし」伊藤礼
「羊羹合戦」火坂雅志
「王とのつきあい」日影丈吉