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落窪物語 マンガ日本の古典2

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床の落ち窪んだ部屋に閉じ込められている心美しく薄幸な「落窪の君」――。世界最古のひとつとされる継子いじめ物語が、みずみずしい感情描写で蘇る。
https://www.chuko.co.jp/bunko/1999/06/203451.html


 継子いじめ物語としては「シンデレラ」は知らない人はいないのではないかというほどに有名ですが、この落窪物語も日本の有名な継子いじめ物語の1つ。知らない人もいるかもしれませんが、どうやら「落窪物語」が現存する継子いじめものとしては世界最古の古典文学のようです。

 物語を簡単に説明するならば、まさによく知られるシンデレラ・ストーリー。元は高貴な身分だったが母を亡くし、継母によるいじめを受ける。そして、そんな姫に出会った王子様(話の中では王子ではなく少将)。王子様は姫を愛し、なんとか姫を助け出そうとします。それで色々あってめでたしめでたしとなるわけですが…。

 シンデレラでは女主人公の手助けをしてくれたのは魔法使いですが、落窪物語で女主人公を想い、ずっと支えていたのは姫君に仕えている阿漕という女性。彼女の行動力には脱帽! 本当にいつもいつも姫君のことを考えていて、心配していて。姫君が継母によって倉庫に閉じ込められたときもなんとかして食事をお渡ししたい、助けたいと思っていたり。彼女の存在はこの物語の中でも重要な位置にいると思います。この漫画を読むに、彼女の言葉がなければ、少将は姫君のことを知らずにいただろうから。

 漫画の中には和歌が書かれているのですが、ちゃんと注釈などがあり分かりやすかったです。
 シリアスな中にもユーモラスな場面があったり(阿漕とその夫のやり取りとか)なかなか面白かったです。原作の落窪物語は全4巻の構成のようですが、この漫画1冊でも十分に内容は掴めると思います。おもしろかったです。


★古典を読むのに定番?な角川ソフィア文庫も現代語訳付きでわかりやすいかも。


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