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川端康成『現代語訳 竹取物語』

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光る竹から生まれたかぐや姫が娘になり、貴公子の求愛に無理難題を与え、煌々と冴えわたる満月の夜に昇天するという永遠の美の幻想……。源氏物語の絵合の巻に「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」とある「竹取物語」は、平安時代から千百年ものあいだ読み継がれ親しまれている。日本の自然と情感を愛したノーベル賞作家の現代語訳と、ていねいな解説で読む、わが国最古の美しい物語。
https://www.shinchosha.co.jp/ebook/E008551/


 記録によると、ゲーム『大神』がきっかけで改めて読んでみようと思い、手にとったもの。らしい。

 古典の『竹取物語』は、「かぐや姫」としても知られる有名な話。
 事前知識はは古典の授業で少しやった程度のもの。現代語訳版のを読んでみて、改めてこんな内容だったのか、といかに自分が中途半端にしか知らなかったのかがわかりました。
 現代語訳と解説がこの本には書かれています。それぞれ半々くらい。解説、かなり詳しく書いてあります。物語の中の端々にも言葉の意味が書いてあるのが親切。その言葉が出来た由来もわかったり。(たとえば「甲斐なし」とか)わかりやすく、美しい文章で楽しく読めました。
 そういえば、読んでいて1つ驚いた部分がありました。翁の台詞です。

「よろしいとも。迎えの人々がやって来おったなら、わしのこの長い爪でその眼玉をひっつかんでつぶしてしまってくれよう。また、その髪の毛をとっつかまえて、ひっ掻き廻してぶちのめしてくれよう。そいつの尻をひんむくって、ここにいるお役人達の前で、そいつに恥をかかせてやろう。」(p85)


 場面はかぐや姫のもとに月からの使いがやってくるちょっと前あたりで、翁からかぐや姫にかけた台詞なんですが、翁ってこんなこと言う人なんですね。昔話のな印象で、翁にはほんわかしたイメージがあったのですが…。


江國香織 著、立原位貫 画の絵本