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かいとーこ『詐騎士』

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イラスト:キヲー

ある王国の新人騎士の中に、風変わりな少年が一人。少年は今日も傀儡術という特殊な魔術で空を飛び、女の子と間違われた友人をフォローする。――おかげで誰も疑わない。女であるのは私の方だとは。性別も、年齢も、身分も、余命すらも詐称。不気味姫と呼ばれる姫君と友情を育み、サディストの王子&上官をイジメかえす。詐騎士ルゼと仲間たちが織りなす異色の西洋ファンタジー
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784434154393


 詐欺師と騎士をかけた、面白そうなタイトルを目にして興味を持ちました。ネットで話題の小説のようですね。

 個性的な登場人物たちの掛け合いがおもしろかったです。Sキャラが数人出てくるが(意外と可愛い面も持つ方々でした)、主人公も結構な毒舌で。
 主人公は年齢の割に優れた能力を持つ所謂チートというやつで、能力的に欠点はいくつかあるものの、他者を圧倒させるさまは見ててスカッとするところがあります。あまり嫌味なキャラでもないし。何気にハーレムも作ってますしね。良い男(ではないけど)には良い女が集まるということですね。
 しかし、本物のルーフェスはどんな人物なのか。断片的にしか描かれてないというか、ルーフェス自身の言葉があまりないので。大体はルーの口からわかるけれども、ルーが演じてる彼とはなんかだいぶ違う気が。いいのか、これで、と思うこともしばしばありました。

 恋愛要素が薄いのも個人的にはよかった。この手の本にこんなこと言うのは野暮ってもんかもしれないけど、こういう主人公にはあまり恋愛恋愛してほしくないというか。まあ、これでルーの正体がバレたら王子とフラグが立ったりするのかもしませんが。年齢的にアレかな。ニースの姫様への片思いはなんだか可愛かったですね。小学生か! と思っちゃうような。姫様にいつか伝わる日が来るのか。個人的には来なくてもいいけれど。女の子たちが大変可愛らしい話です。

 ルーが足に怪我を負った原因でもあり、ルーフェスの余命が1、2年になってしまった原因でもあり、ルーが敬愛していたノイリが消えた原因でもあるとある事件。犯人の全容もはっきりとはしてませんが、次巻ではちょっと近づいたりするんでしょうか。次の配属先でも色々ありそうです。火矢の会のことも気になります。