文字を食べる

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峰月皓『カエルの子は』

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夢を見失い、遊園地でカエルの着ぐるみを着て、その日暮しを送っている独身男。そんな彼を「父ちゃん」と呼び、憧れる幼い少年。奇妙な絆で結ばれた二人のぎこちない交流を描く、心温まる親子の物語。
(引用元 https://mwbunko.com/product/201108000294.html


 一人暮らしを楽しむ主人公のもとに、突然現れた息子だと主張する男の子。戸惑うのは当然だと思いますが、最初は主人公の晃の子どもに対する態度にすごくヒヤヒヤしましたが、話が進むにつれ、コミュニケーションを重ねるにつれ、ちゃんと親子のような友達のようないい関係になってほっとしました。同時に、職場の同僚たちの関係もいい雰囲気になってよかったです。表紙の印象どおりのハートフルな話でした。

 それにしても着ぐるみの仕事って大変だなあ。作中のショーの子どもたちの様子がなんだか微笑ましくかわいかったです。登場キャラの明くんも含めて。結局、明くんのお母さんが登場することはなく、明くんがなぜ主人公のもとにやってきたのかがわからないままなのがちょっとすっきりしなかった。とはいえ、スカッとする場面はちゃんとあり、楽しめました。