文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

野村美月『陸と千星 世界を配る少年と別荘の少女』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

イラスト:竹岡美穂

 内気なお嬢様と貧乏少年という設定がなんだか王道な感じがしてツボでした。
 二人の接点は「新聞」のみ。陸が新聞配達で別荘にやってくる時ぐらいしかお互い顔を合わせることはないが、少しずつ心を通わせていく。二人とも家族の問題を抱えていて、相手が幸せであれば…とお互いのことを願う様子はなんか健気に思えた。切なく繊細なひと夏の恋の物語。素敵だった。
 作中の「初恋」の絵がよかった。陸と千星がまた再会できるといいなあ。