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青木祐子『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ その2


 青木祐子著、『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズの読書記録、6~10巻分をまとめました。
 服飾好きな人はより楽しめると思う。

 イラスト:あき

『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ

『恋のドレスと硝子のドールハウス

仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』を訪れた少年エド。クリスは彼にそっくりだという姉シャロンのドレスを依頼される。屋敷を訪れたクリスは、シャロンの恋の相手を選んでほしいと頼まれ、恋をゲームのように弄ぶ姉弟に困惑する。『薔薇色』のドレスで本当の恋に目覚めたシャロンエドは反発するが…。一方、シャーロックは闇のドレスとクリスの母の関わりに気づき、クリスと向き合う決心をする。
(引用元 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?jdcn=08600898943021000000


 今回も楽しく読みました。
 クリスとシャーロックの距離がまた縮んだというか。自覚したから余計にって感じか。しかし、シャーロックさん、ひとさまの家の庭でいちゃつくのはどうかと。そりゃいいところも邪魔されますよ。

 今回のゲストは軍人の令嬢と令息。お互い依存しあってて、あまりよろしくない感じではあったけど。シャロンの恋の相手にデイヴィッドを選んだクリスはさすがですね。手紙の文面から人となりは見えてきますもんね。家族間のすれ違いがちょっと切ない。
 シャロンエドに強く出れないお目付け役のアントニー。美人のパメラにがつんと言われて、優しくもされて、恋に落ちてしまったんでしょうか。また登場しそうなフラグ。パメラさんさすがです! イアンとアントニーが視線交わす場面は笑っちゃいました。
 闇のドレスはどれだけ広まってるんだろうか。ユベールは悪いやつじゃないけど、なんだか怖い気もする。今回出てきた闇のドレスを、クリスが作ったものだろ、なんて言ったりとか。
 リルの愛らしさがちょっとした救いですね。相変わらず可愛いです。


『恋のドレスと運命の輪』

仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』にクレマチスの花が届けられた。差出人は闇のドレスをめぐる事件以来謹慎中のシャーロック。クリスは彼を想いながらも、手の届かない相手だと自分に言い聞かせていた。ある日、アメリカ人の機械工ラリーが『薔薇色』にやってきた。彼のフィアンセのドレスを作るため、クリスは彼らと共に車の旅に出ることに。だがそこにはシャーロックも同行することになっていて…。
(引用元 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?jdcn=08601041943022000000


 シャーロックとクリスが非常にもどかしい巻でした。旅先での宿泊所でのやりとりも、なんというかこそばゆい感じで。クリスの心の核心に触れる問いかけをし、また答えをもらったシャーロックだけど、彼の返答がまたずるいというか。まあ、はっきり言っちゃうのも身分的に問題があるし、難しいところですね。しかし、最後の伯爵家からの招待状はまた一波乱ありそうな。
 闇のドレスはまだわからないことばかりですが(なんか、毎回こんなこと書いてる気がする)、新しい店の名前が出てきたりして進展もあったり。クリスはまだまだ知ってて話してないことが多いみたいですね。夜想ってなんかそれっぽい名前だ。
 で、今回のドレスに関してですが、ドレスを着るサーシア嬢の心に添った素敵なドレスでした。イラストもきれい。『夜の光』、黒い生地を使ったドレスなのですが、黒って華やかさにかけるというかドレス向きの印象ではないように思ったのですが(個人的に言えば黒は好きな色ですが)、考えが改まりました。


『あなたに眠る花の香』

恋のドレスを求めて『薔薇色(ローズ・カラーズ)』を訪れる少女たちの物語に、クリスとパメラの出会い編を収録した番外短編集。
(引用元 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?jdcn=08601050943023000000


 短編集。1冊の中に複数のドラマがぎゅっと詰まってて、なんだかお得な感じです。可愛らしい話あり、切ない話ありと色んな女の子の恋心が書かれています。短編集の中でもクリスとシャーロックがお互いを気にかけていることがわかる場面もあったり。どちらかというとシャーロックのがそういうシーンはやはり多いように思いました。どれもよかった!

恋のドレスとプリンセス・リボン

 シャーロックの従妹のフリルがお客様な1編。リルのリボンへこだわる気持ちがわかりました。あと、クリスへリルのリボンが渡った経緯とか。

黄色い花の法則(ルール)

 若いお嬢様が道のぬかるみにはまった馬車の車輪を持ち上げる様を想像すると、なんとも言えない気持ちになりますね。彼女にはそんな車輪を一緒に持ち上げてくれるダイムがぴったりだと思う、とここまで書いて、自分が何を言いたいのかわからなくなりました。
 詩の話とか恋心のこととか書くことは色々あると思うんですが、馬車の場面がすごく印象に残ってて。とりあえず馬車はなんとかするべきだし、御者ももっとがんばれ! と思う。

さびしがりやの王子

 以前登場した舞台俳優のキースと脚本家のカリナが再登場。キースは相変わらず女の人に対して見境がないというかアレだなあと思っていたのですが、結構カリナが舵とってる感じっぽくて安心したと同時にちょっと笑いが。イアン先生とパメラの関係も書かれています。イアン先生わかりやすすぎる。
 この話でのお客様のエルは、最初かなり思い込みの激しい子だなーと思ってたんですけど、ちゃんと現実との区別がついている子でクリスたち同様少し驚きました。こういう恋に一直線な子も魅力的ですね。ちょっと疲れそうな気もするけど。

あなたに眠る花の香

 表題作。本当は50代なのに20代くらいに見える、不思議な男性に恋をした女の子。最初はその男性の息子か何かだろうと思いながら読んでいたものの、彼の言動やもっともらしいことを言う雑貨店のドロシーや、パメラが彼の墓参りについて行ったときの不思議なシーン(いつの間にか彼の姿が消えていた)もあって、途中、まさかほんとに生霊かなんかなのか…と考えてしまいました。そうだとしたら切ない恋だ、なんて思ったりもしましたが…。ふんわりとこちらにまで花の香りが漂ってきそうな温かな話でした。

扉をあけるマリア

 クリスとパメラの出会い話。薔薇色で働く前のパメラがどんな暮らしをしていたかがうかがえる話です。そういえば以前(前作くらい?)にその関連の場所が出ていたことを思い出します。シャーロックはかなり近いところまで来てたんですね。
 しかし、思った以上の過去でした。話の中では書かれてなかったけど、辛いことたくさんあっただろうに。信じてた人に裏切られた瞬間は絶望しただろう。けど、そこに差し伸べられたクリスの手はほんとパメラにとって救いの手だっただろうな。パメラが館を飛び出し、クリスが差し伸べた手をとって汽車に乗らなかったら今の薔薇色はなかったんだ、と思う胸がいっぱいになります。冒頭の夢の中でパメラを抱きしめる腕はクリスだったのかな。


『恋のドレスと大いなる賭け』

クリスとパメラが営む小さな仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』に、名門オルソープ伯爵家の令嬢アディルのアフタヌーン・ドレスの注文が入る。ただひとりのパートナーの目を釘づけにするドレスに仕立ててほしいという要望に応えようとするクリスだが、アディルの相手を知ってショックを受ける。シャーロックは、彼を拒絶し、仕事も進まなくなってしまったクリスに気を揉むが、闇のドレスが再び影を忍ばせ…。
(引用元 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?jdcn=08601080943024000000


 クリスとシャーロックの関係がもどかしいすぎる…!
 貴族と労働者という身分の差があるから仕方ないこととはわかっているけれど、せっかくクリスも自分も頑張らなくちゃと普段とは違うドレスを着て、精一杯のおしゃれを頑張ったのに約束を守らないとは…。シャーロック、なんと間が悪い…。
 今回の薔薇色のお客さんであるアディルが全く非の打ち所のない令嬢だというのがまた、クリスには辛いところですね。嫌いになれる子だったら、もう少し楽だっただろうに。シャーロックを振り向かせたいというアディルの(それと同じクリスの)気持ちがたっぷり詰まったドレスを着たのだから、美しい娘がさらに美しくなるのは当然のこと。シャーロックが見とれるのもしょうがないですね。
 クリスの母のリンダ・パレスが作中ちらっと登場したり、今後も目が離せません。何の思惑があって、今登場したんでしょう。また話が動いていきそうです。


『恋のドレスと秘密の鏡』

行方の見えない恋に翻弄されるクリスとシャーロック。公爵家令嬢コーネリアのドレスを作ることになったクリスだが、コーネリアは父の愛人の娘である異母妹アップルに複雑な思いを抱いていた。自分に興味を寄せる子爵の子息ビアードを妹に近づけるが…。コーネリアの仕掛けた恋のゲームがクリスに思いがけない出会いをもたらす。クリスに近づく闇の影にシャーロックは――。
(引用元 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?jdcn=08601112943025000000


 貴族ってなんか色々めんどくさいな、と読んでて思いました。お金だとか権威だとか色々計算してどれが最良とかそうでないとか、なんかもう面倒ですね。自分の気持ち押し殺してばかりのコーネリアはなんだか寂しく感じられました。それにしても、アップルは勘の鋭い娘ですね!

 クリスとシャーロックの関係には相変わらずやきもきさせられます…。煮え切らないというかなんというか。パメラさんだけが頼りです! それはさておき、リルがたいへんかわいかったです。そういえば、今回は前に出てきたゲストキャラが多数登場でなんだか懐かしい気持ちになりました。アップルとかエドとか。クリスとシャーロックはもちろんですが、パメラの恋もやっぱり気になります。今のところはイアン先生が優勢でしょうか。
 恋のドレスと闇のドレス、クリスとお母さんのこと、また少し明らかになりました。クリスのママが作るドレスは必ずしも闇のドレス、というわけではないのでしょうか。しかし、ユベールは謎の多いキャラですね。闇のドレスとやっぱり繋がりがあるんですかね。続きが気になる!


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