文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

向井湘吾『お任せ!数学屋さん』

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装画:けーしん
数学嫌いにもおすすめ。

変わり者の天才数学少年と数学が苦手な体育会系女子が営むお悩み相談所「数学屋」。どんな依頼でも「数学」を使って解決します!
(引用元 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000903.html


 数学屋ってなんぞや? 数学で世界を救うってどうやって?
 世界を救うことはなかったとはいえ、持ち前の数学に関する知識で周囲の小さな悩み事を解決していく(解決…? ってなるものもありましたが)数学屋さんたちには感心しました。数学なんてできなくたって、計算さえできればどうとでもなるだろって考えだったんですが、見るだけで顔を顰めてしまうような計算式も色々応用がきくんですね。嫌な計算式も身近なものに置き換えて考えれば、わかりやすいというか取っ付きやすく感じられるような…。いや、やっぱりよくわかんないような…。

 計算式を見るのも嫌、文章題には混乱…メインの1人である遥と同様大の数学嫌いのワタシですが、中学時代これを読んでたら少しは数学に対するイメージが変わったかもしれません。彼女と同じように。まあ、彼女には数学屋さんの発起人である数学オタクの宙や素敵な友人たちがいたというのもあるのでしょうが。
 彼女たち、高校生になっても相変わらず親しくしているようで微笑ましくなりました。男子1人に対して女子3人という、羨ましいようなそうでもないような感じなのがまたいい。登場人物が好感の持てる子ばかりなのも読んでて楽しかったです。宙は数学に関しては言うことなしだけど、常識にはちょっと疎いというのが可愛らしい。遥も面倒見がよくて可愛かったです。
 おもしろくて、あっという間に読めました。ラストの空港のシーンは青春って感じでした。続きが出るっぽい感じなのでそちらも楽しみです。