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成田良悟『バッカーノ!』シリーズ その1

 成田良悟著『バッカーノ』シリーズの読書記録を1~5巻分まとめました。

 イラスト:エナミカツミ
 第9回電撃ゲーム小説大賞金賞 受賞作

『バッカーノ』シリーズ

バッカーノ! The Rolling Bootlegs』

内容
 禁酒法時代のニューヨークを舞台に「不死の酒」をめぐる不死者と人間のにぎやかな群像劇。
 
 タイトルの「バッカーノ」はイタリア語で「馬鹿騒ぎ」という意味らしい。そんなタイトルにあった内容で、とてもおもしろかったです。ただ登場キャラが多いので、名前やポジションを覚えるのが大変だー、なんて思いながら読んでいたのですが、意外と苦にはならなかったです。主人公が特定されていないのって面白いな。

 エピローグから始まるこの話、最初はなんで? と思ったものだけど、最後に全部はっきりしました。悪魔からの酒で不死になった人々の長い人生。その中の一幕、今回登場したキャラが不死になったきっかけの話が語り手により語られていたということなんですけど、その語り手の正体に驚きました。長く生きていれば、そりゃ鉄砲玉みたいな子も落ち着くとは思いますが。
 不死な彼らの他の話も気になります。泥棒カップルにはなごみました。

 そういえば、こちらはアニメ化もされています。OPがかっこいいです!
 BACCANO! -バッカーノ-


バッカーノ! 1931 鈍行編 The Grand Punk Railroad』

 1931年のアメリの、大陸横断特急「フライング・プッシーフット」が舞台。今回もみんなが「馬鹿騒ぎ」しています。おもしろかった!
 また個性的なキャラクターがたくさん登場。やっぱり名前を覚えるのが大変でしたが、どのキャラも生き生きとしていて良かった。物語の中、途中から姿を消したというか、動きのなくなったキャラがいたので、その方たちの動向が気になるところ。次回でネタばらしされるということで続きを読むのが楽しみです。
 フィーロたちが待っている「クレア」とは何者か、マイザーの待つかつての仲間とは? 作業着の女の正体は? 赤い化け物は? 気になります。

 キャラの活躍というのか、カップル2人は相変わらずで良かったです。緊迫した場面でもアイザックとミリアの2人がいるとなごみます。気が抜けるともいうけれど。
 あとは新キャラのニースがジャグジーと唇を交わしたときの「……初めてです」という一言がなんか可愛かったです。10年の付き合いとのことで、読んでいる方もびっくりです。


バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad』

 前作・鈍行編で残されたままだった謎が明らかになった今回の特急編。登場人物に深みが出ただけでなく、はらはらドキドキするような手に汗握る場面も増え、とても面白かったです。しかし、今回は結構えぐい場面も多かったような……。クレアがチェスにした拷問と呼べるあの辺とか。あそこは緊迫している場面ですが、その現場を目撃したレイチェルに対するクレアの反応にうっかり笑ってしまいました。「無賃乗車女」って。クレアは意外と間の抜けたことをいいますよね。「俺のことは喋る空気とでも思ってくれ」とか。そんなこと言っても、やる事はえげつないんだから困る。あのラッドですら恐怖させるんですもんね。
 ラッドといえば、ルーアを助けようなするところにはちょっとびっくりしました。なんか自分の身を投げうってまで自分の女を助けようとするタイプには見えなかったので。あと、25歳だってことにもちょっと驚きました。まあ、性格からすれば妥当なところなんだろうか。

 そういえば、クレアについてもチェスについても前作では突っ込んで書かれてませんでしたけど、バッカーノでは重要なポジションになりそうな感じですね。どっちも憎めない。というかクレアはなんか強すぎる。化け物って感じです。シャーネとはどうなるんだろうか。シャーネはジャグジーたちと行動を共にしそうな感じだけど。
 キャラたちの今後もラストの方では定まってきてましたが、カップル2人はどうなるんだろう。馬鹿のようで意外と物事を冷静に見ていて、今回も自分が不死だって気づいてないのに無茶なことしてまで誰かを助けようとしていて、ほんと馬鹿みたいにお人よしなこの2人を私は好きだなあと思う。


バッカーノ! 1932 Drug & The Dominos』

 この巻でもやっぱり新キャラが続々登場して、名前覚えるのが大変だなー、なんて思いながら読んだわけですが、今回も楽しく読めました! 話のメインになっているわけではないのですが、ちょこちょこアイザックとミリアが作中でドミノ倒しをする場面が出てくる。(フィーロは乗り気ではないが、周りの皆さんはみんな乗り気なのがちょっと可笑しい。かなりすごいのが完成したみたいだけど)そのドミノのように、作中の一つ一つの事件・ストーリーが交わって一つの結果に向かっていく、上手くできた話だなあと思う。なんかこんな感じの話を前にも読んだことあるなと思ったんですが、たぶん恩田陸の『ドミノ』だと思われます。

 そういえば、1作目に登場したダラスの話が出てきましたが、彼、ずっと水の中だったんですね。すっかり忘れてました。それにしてもイヴがあのダラスの妹とは……。無事に助けることができるんだろうか。

恩田陸の『ドミノ』。続編?も最近出ましたね。

ドミノ (角川文庫)

ドミノ (角川文庫)



バッカーノ! 2001 The Children Of Bottle』

 なんだか今までのバッカーノシリーズとはやや毛色が違う印象。多視点じゃないからでしょうか。そんな今回の話は、マイザー、チェスを含めた最初の不死者五人がメインの話です。といっても、やっぱり出番に偏りはあるし、話の中でいつか語られるんだろうなー、なんていう伏線もあったりしたわけですが。(シルヴィがマイザーと会った時の話とか)話の舞台が閉鎖された村だったり、顔立ちの似た不思議な少女が登場したり、と若干のミステリ要素もあったかも。と、まあちょっと今までと違う感じではありますが、最終的にはいつものバッカーノだなと思わせるところは流石だなあと思う。不死者の皆の会話のテンポが良くて楽しかったです。

 今回舞台が2000年代になってるんですが、アイザックとミリアはようやく自分たちが不死者であることに気付いたんですね。気づいてないように見えたけど、まさか2000年代になって気づくとか。鈍感というかなんというか。見た目で気づきそうな気はするんですが。あと、チェスの色々なもやもやが吹っ切れたようでなにより。まだ態度には表わせないみたいだけど、まあ難しい歳だし仕方ないですね。なんというか、見た目は子ども頭脳は大人! 的なあれですよね。ちょっと違うか。


mogumogu101.hatenablog.com

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