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読書の備忘録ブログです。

成田良悟『デュラララ!!』シリーズ

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 成田良悟著、『デュラララ!!』シリーズの読書記録をまとめました。自分用の覚書。7巻までです。
 読了時のテンションが高かったのか、全体的に長めです。
 セルティと平和島静雄が好きです。

 イラスト:ヤスダスズヒト

デュラララ!!』シリーズ

デュラララ!!

 ※1巻:2010年1月29日の読書記録です。
 バッカーノ!シリーズがとても楽しいので、その流れで同じ作家さんの『デュラララ!!』も読み始めました。1月からアニメにもなっているそうで、試しにそっちも見てみたんですが中々良かったです。OPの演出がなんかバッカーノ!に似てるなと思ったら同じスタッフさんだそうですね。アニメ、色々とこだわってるなあと思います。

 アニメの感想はおいといて。
 デュラララ!!は池袋が舞台のいろんな思惑乱れる群像劇。
 やっぱりこちらも登場人物が多いですね。主人公が首なしライダーってのが、なんか斬新だなと思いました。セルティ好きだー。首なくて喋れないなんてどうなるんだろう、と思ったんだけど、舞台である池袋に何気に馴染んでていいなあ。新羅とはバカップルになりそうな予感。

 登場人物たちそれぞれワケありだったり、なんだか一癖ありそうな性格だったり色々設定が付いてそうなので、これからもキャラだちがどんな関わりを持つのか楽しみです。帝人たちが作った“ダラーズ”にも意外な人たちが加入していたりとちょっと驚きましたし。チャットの参加者とかも。お前、ネカマだったのか! とちょっと笑ったりなんかも。
 気になるキャラが多すぎて困ります。特に静雄さんが気になります。かっこいい。好きだ! セルティと仲が良いそうで、二人のコンビいいなあと思う。言葉数少なくてもなんとなくわかるみたいな雰囲気が。Missingネタがあっただとか誤字見つけたとか臨也がやりたいことってなんだろうとか(まあ面白がってるだけのような気もしますが、底が見えない)サイモンって何者? とか首のこととか色々ありますがこの辺で。


デュラララ!!×2』

 1巻が面白かったので、続けて2巻も読んでみました。バッカーノでは新しい巻が出る度に、新たなキャラが登場するって感じだったんですが、デュラララではそうでもないっぽいですね。前巻では登場しただけであまり活躍のなかったキャラがピックアップされてて、キャラのまた新たな一面が見れて良かった。今回はやっぱり妖刀<罪歌>と平和島静雄ですね。

 人外から重たーい愛を叫ばれるシズちゃん。しかし、彼の強さはほんとすごいですね! 何百っていう数相手に怯まない、負けないなんて。なんかもうすごいとしかいえないです。そして、その戦いっぷりはかっこいい! 彼、少年時代から冷蔵庫投げようとしたりとか、まあなんかそんな感じだったそうですが、普通の家庭で育った普通の子なんですよね。暴力が嫌いという発言には「えっ」って思ったりもしましたが、話読んでくうちにその発言に納得もしたり。また静雄さんが好きになりました。弟がいるそうで、そちらもちょっと気になります。

 さて、<罪歌>の方ですが、まさか杏里ちゃんにこんな設定がついてるとは思いませんでした。まあ、主人公が首なしライダーであったり、一癖も二癖もあるキャラばかりなので、ただの地味な女の子(スタイルはかなりいいけど)なだけではないとは思ってましたが。大変なものを内に秘めてたんだなあ。あんな<愛>を四六時中叫ばれていたら、普通の人はどうかなってると思う。自分の力を受け止めて、話の中で一歩進んだ彼女ですが、臨也がまたなんか企んでる感じだし、どうなることやら。帝人、正臣、杏里の関係使ってなんかかき乱そうとしてるようなそんな感じが。

 そういや、やっぱり新羅とセルティはバカップルになりそうですね。セルティがさばさばしてる部分があるからあれだけど。二人のやり取り和みます。でも、やっぱり静雄とセルティの二人も好き。強いし、かっこいいし。杏里もかっこいいって憧れ感じるくらいですし。杏里は特にセルティに憧れてるみたいだけど、ここで少し誤解が……。セルティさんは罪な人やで、って人じゃないか。やっぱり書きたいこと多くてまとまりません。自分用の覚書だからいいか。


デュラララ!!×3』

 3巻です。楽しいのですらすら読めます。今回は少々他より厚めですね。それだけに内容もなかなか詰まってて面白かったです。
 新しく登場した新羅の父・森厳が結構な性格してる。ガスマスクとか。食えない人だ。ドジッ娘セルティ……! ドージッ娘セェールティ――ッ!」『黙れ! なんで二回言う!』森厳さん、大切なことだから二回言ったんですよね、わかります。
 自分だって化け物なくせにリトルグレイを怖がったり、人間である白バイ隊員(まあ、あれはしょうがないか)を怖がったり、1巻からどんどん人間臭くなってるセルティ大好きだ! そういえば、杏里のセルティに対する誤解も新羅によって解けましたね。

 今回のメインは高校生トリオの一人、紀田正臣。顔は良いけど三枚目な性格、って感じの認識だったけど、なんというダークホースか。かなりかっこよかったです。誰かさんの思惑の中で、すれ違って誤解して手のひらの上を転がされていた仲良し3人組ですが、最後はまだ話をしてないことはあれども、なんか元鞘に戻ったというか、落ち着くところに落ち着いて良かった。この事件の中で自主退学をした正臣ですが、今後話には登場しなくなっちゃうのでしょうか。それだと寂しいけど、チャットとかあるし大丈夫かな。
 チャットの中で<田中太郎>こと帝人に、「正臣なの?」と聞かれた<バキュラ>ですが、「√3点」って答えた辺り、当たりで良さそうですね。この返答が何気に好きです。印象にも残ってます。そして、√3点呼ばわりされたのが<甘楽>で吹きました。チャットは<罪歌>のたどたどしい感じが和みます。

 黄巾賊とダラーズの抗争(とまではいかないかもだけど)があったり、静雄さんが銃で撃たれたり、複数人相手に殺す覚悟をして喧嘩を買いに来た正臣だったり、過去の抗争のことだったり、なんだか今回は血生臭い場面が多かったように思います。死人が出なかったのは幸いですが、平和島静雄はおかしい! 銃で撃たれたくせになんで次の日には動き回れるようになってんですか。彼は自分が撃たれたのは正臣の指示があったから、と誤解してますけど、誤解とけてるんだろうか。

 あと、今回も色々と場を乱してくれた臨也さんですが、サイモンに殴られたのを見てちょっとざまあと思ってしまいました。杏里のことはうまく交わしましたからね。杏里も臨也相手に宣戦布告?するなんてすごい子だと思う。彼、嫌いなキャラではないんですがね、皆大変な目にあってるのだから、少しは痛い目見ませんと。彼が昔静雄に擦り付けた罪というのが気になりますね。
 目立つ活躍をしたとはいえないんですけども、門田さんたちの活躍は重要ですね。彼(ら)もなんかの信念にそって動いてるんだと思いますが、なんかかっこいいです。タイミングも良い!


デュラララ!!×4』

 本来関わるはずのなかった二つの事件が、とある人物を媒介にして紆余曲折を経て一つの事件に関わっていく。今回の話は「バッカーノ!」シリーズのような印象。視点や時間もころころ変わるので、ちょっとわかり難かったかも。片手間に読んでたのがダメなんだろうけど。全部読み終えたら読み返そう。

 帝人に憧れる少年や臨也の双子の妹、静雄の弟、人気アイドルなどなど、3巻で一つの節目を迎えたからなのか、また一度に新キャラが登場しました。どの登場人物も癖があって、なかなか一筋縄ではいかない良いキャラしてます。双子の姉妹はあれですね…、なんというかあの臨也が苦手意識を持つなんて色んな意味ですごいです。確かに彼の言うとおりぶっとんだ設定がついてたけど。体操服を着たクルリのイラストがやばかったです。なんというスタイル。そういや、杏里もスタイルかなり良いけど、1巻から比べてみるとだんだん胸の盛り加減が大きくなってるような…?

 個人的に静雄さんの弟くんの登場が嬉しかったです。3巻とかにもポツポツ書かれてましたよね。お兄さんを反面教師にしたからということで、随分物静かな人ですがこの人もなんか好きだなあ。俳優さんで、周りが黒歴史だと思う仕事でもなんでも引き受けて、どんな設定のキャラでも自分が演じたキャラのことは尊敬していると言い切る辺りとか。デビューのきっかけの件にちょっと笑いました。静雄さん、スカウトされたことがあったんですね。彼は人間とは思えない馬鹿力の方が目立ち、あんまり容姿については言及されてないように思いますが、やっぱり整った容姿なんでしょうね。イラストは普通にかっこいいですけど。幽とルリの今後も気になるところです。

 新羅とセルティが相変わらずラブラブしてて和みました。遊馬崎さんによるとセルティは「姉御妹」だそうですが、ちょっと意味はわからないけど、なんとなく納得してしまうものはあります。というか、オタク二人も一応仕事的なことしてたんですね。バン組はちょくちょく美味しい場面で登場しますが、あまり語られてなかったように思うので。
 繋がりの薄かったキャラたちがどんどん繋がりを持って、仲を深めていく感じがいいですね。お鍋パーティーの様子が気になります。なんという豪勢なメンツ。静雄さんも来たとか。どんな感じだったんだろう。誠二や美香もやってきた辺りにびっくりしましたが、張間さん料理上手なんですね。ストーカーっていう部分を除けば、彼女死角なしじゃないんですか。
 今回の事件では特に関わりのなかった臨也が、自分の目でそれを見れなかったことをくやしがる(?)のがなんか新鮮に感じます。静雄さんは自分の知らないところで事件に関わって、その事件を1つに結びつけちゃってますもんね。あと、チャットでみんなが鍋パーティーをしたことを聞き、自分もやりたくなる彼がちょっと可愛く思えました。


デュラララ!!×5』

 5巻です。ロシアからの新キャラが登場したり、静雄を探す家出少女が登場したりとまた池袋で事件が起こるわけですが、前後編とのことで6巻を読まないことにはなんともいえない感じでしょうか。5巻ラストで色々と動きがあったので次の巻に期待です! なんかドキドキしてしまいます。

 日常から非日常へ―。というわけで。どのキャラも結構な事件に巻き込まれてるんですが、いつにもまして大変というかなんというか。帝人は変な交渉持ちかけられるし、杏里は襲われるし、セルティも人探しの過程で襲われてるし、静雄は嵌められて人殺しの罪擦り付けられそうだし。あれはやっぱりどう考えても臨也だよなあ。
 物騒な事にすでに何度か死体を見たことがあるという静雄さんだけど(あれだけ暴力振るっていても、まだ誰も殺してしまったことはないんだよなと思うと色々思うことがあります)、それも臨也絡みなんだろうなあ。そういえば、前にも罪擦り付けられたっていってましたよね。冤罪になったけど、ってやつ。

 臨也はほんとえげつないです。優しい言葉掛けておいて裏で様々な策略巡らせてるのが彼ですからね。帝人もそんな彼を素直に捉えて「いい人だ」なんて感想を抱いていたけど、正臣の言葉を思い出せと言いたいです。臨也が帝人に掛けた『俺はそんな君が心配なんだ』って台詞には思わず笑ってしまいました。どの口が言うんだ、と。彼はどんな気持ちでこの言葉を口にしたんだろうか。と、臨也にたいして散々な感想を持つ私ですが、彼のことは結構好きです。
 あと、臨也も底知れない感じで恐ろしいキャラではあるけど(新羅『反吐が出る』という彼への認識は言い得て妙だと思う)、帝人も何気に末恐ろしい感じはありますね。恐怖っていうのとは違うんだけど、非日常を目の前にして楽しそうに笑っていられるというのがね。とりあえず、君は自分が思ってるような平凡な高校生ではないよ、と。

 キャラの様々な一面が見れた5巻ですが、まるでぺこちゃんのような笑顔を見せる静雄には驚きました。(イラストが!)状況が状況でもあったので、新羅の絶望は痛いほどわかりましたが、しかしなんという作り笑い。そんな笑顔を作らせる臨也はやっぱりすごいというか恐ろしいというか。
 その後の静雄の「人を殺して逮捕とかされたら~」の台詞はさらりとやばいこと言ってますが、会社のこととか考えてるあたり、この人ほんとに良い人なんだよなと思う。というか、この人巻き込まれ体質なだけだよなあ。本人は平和に静かに暮らしたいだけ、って言ってるし。あと、ここに関係はないけど、静雄ってセルティの性別今まで知らなかったんですね。イラストで見ると、セルティかなりスタイル良いと思うんですが。興味ないのか? と思いもしましたが、千景が彼女に手当てしてもらうって言うのを聞いて、羨ましいという感想を漏らしてたりするし。うーん。

 最後に話の中ではちょろっとしか出てなかったんですが、絵画販売画廊の場面の話も笑ってしまいました。千景のどんな理論だよ! と思わずツッコミたくなるような俺理論展開もそうですが、スージー安田先生ファンの遊馬崎の店員に対する熱い会話にも。チーフ曰く、彼は要注意人物なんだそうな。「いいカモに見えるけど」にちょっと納得しました。一見、人良さそうに見えますからね。(ハーフっていうの初めて出てきましたよね。変わった名前だなと思ってたら)しかし、この画廊、静雄にも店壊されてるそうで、一体彼に何をしてしまったんだろうか。
 無駄にぐだぐだ長い感想だ。それなのに書き足りないって。平和島静雄さんがほんと好きなんです。巻を読み進める度に彼のことを好きになっていきます。ほんとかっこいい!


デュラララ!!×6』

 今回も良かったです! もう誰が主人公なんだかわからない。みんなが主人公か? レギュラーキャラの活躍とか成長とかも結構すごいので、セルティ、なんか食われちゃってる感はあります。もちろんセルティだって、ちゃんと物語に絡んでるんですけど。セルティ中心に回ってる感じはしますし。
 事件の蚊帳の外にいるのは折原さんくらいです。正臣とかも直接関わったわけではないけれども。って、正臣、臨也の手伝いなんてしてたんですね。波江の時給はかなり良いみたいですが、彼はどれくらい貰ってるんでしょうか。折原さんとこの双子の「雇ったことないから相場がわからないのではないか」発言に笑ってしまいました。寂しい奴。
 そんな臨也さん、ラストで刺されるっていう大変な目に遭ってしまうんですが、一瞬ある3文字が脳裏を過るものの心配です。彼は殺そうとしても死ななさそうだし大丈夫だと思いますが。

 5巻の続きということで、前巻で残されてた問題が解決されます。静雄のこととか、ダラーズのこととか、家出娘のこととか、殺し屋のこととか。分かれ道に立っていた帝人の決断もありました。彼、良くも悪くも淡々としていた印象なんですが、今回はかなり感情乱してて、なんだか新鮮でした。これが覚醒帝人という奴か……。
 ボールペンの件には息を呑みました。その後の切り替え様といい、帝人は周りが思っているよりとんでもない子なんじゃなかろうか、と青葉のような感想を持ちました。臨也はこの事知らないだろうから、知った時の反応が気になります。帝人が泣いていた時、もしも正臣が声を掛けてたら何か変わってたんでしょうか。今後の帝人の動向も気になるところです。とまあ、こんなところでとりあえず青葉さんお大事に。以前、静雄さんがボールペンで刺された時とはまた別の衝撃でした。彼の場合は接着剤でなんとかしたんでしたっけ。あれ、冗談ですよね?

 冗談みたいなことといえば、やっぱり平和島静雄さんです。自販機を投げる、標識ぶん回す、ガードレール引っこ抜こうとする、改造スタンガン当てられても「あ痛」で済んじゃう、そんなとんでもないことをやってのける彼ですが、今回もまたえらいことをしてくださいました。ビルを飛ぶように登る、バイクを片手で担ぐ、自動車を蹴り上げる、それからそれから…。銃向けられた時の感想が「鉛中毒になったらやばい」な辺り、やっぱり常人とは感覚が違うなあと思う。
 けども、彼も1巻から随分内面的に成長していて、自分の怒りよりもまず女の子を助けることを優先した、そのくだりでまた平和島静雄さんが好きになりました。まあその前の「ダラーズ脱退宣言」辺りもやばいんですけど。なんなんだこの人。茜の救出劇かっこよすぎる。これは惚れるしかない。セルティもグッジョブ! 茜に見せた笑顔が素敵でした。(イラスト付き!)あの作り笑いも良いですが、やっぱりこっちのがかっこいい、気がします。あっちの笑顔はどちらかというと可愛い。新羅は恐ろしがってたけど。シェイク食べてるとこもなんか可愛かった。甘党なのかな。
 いつも静雄のターンで感想が無駄に長くなります。杏里ちゃんの戦いっぷりもかっこよかったし(可愛いのに漢前とか最高です)、門田さんと千景の正々堂々とした喧嘩もかっこよかった。千景のまっすぐさも好きだなあ。今後も是非出てきてほしいな、折角友情が芽生えたんだし。遊馬崎はおいしいとこ持ってったけど、狩沢さんと同じく相変わらずな感じで、良い具合に場の緊張をほぐしてる気がします。空気読むべきともいえるけれど、ああいうキャラも好きだ。

 あと、ちょくちょく新羅ノロケ話が挟まっていたと思うんですが、新羅がセルティに着せたいものリストをメモってる巻って6巻で合ってますかね。新羅さん、マジぱねぇっす! って思ってたんですけども。私も見てみたいなあ。新羅とセルティは見てて楽しいバカップルです。そういえば、静雄さんがダラーズ脱退宣言するとこで、何気に帝人と会話してますね。本文中での会話は初めてか。名前間違ってたけど、なんとなく覚えてる辺り、静雄と帝人も鍋のところでそれなりに会話してたんだろうか。臨也にたいしては「折原さん」呼びだったのに、静雄には「静雄さん」呼びだった帝人。なんだか意外でした。

 まだまだ書き足りないけど、ぐだぐだになるだけなのでこの辺で。
 読み返して気づいたけど、6巻なのに7巻の感想が混ざっちゃってました。


デュラララ!!×7』

 時間は6巻の翌日。キャラたちの休日を描いた短編集。それぞれの話がどこかで繋がっているという作者らしい作りで楽しめました。こういう構成の話は好きです。

入院ポルカ

 6巻ラストでえらい目に遭っていた折原さんですが、無事で何より。でも彼には申し訳ないが、ひとりぼっちざまあ、としか。病院に誰が来るのか考えている件は胸に妙な切なさがわいてきました。妹にすら心配してもらえないとか。(妹たちが出てくるのは別の短編の中でですが)
 セルティは別のところで一応心配はしてくれてましたけど、結局は「自業自得なんだろ」で済ませちゃいましたからね。セルティたちの話の中での、「あいつ、静雄とは別の意味で、怪我しても心配されないタイプなんだな」というセルティの心の声に笑うと同時にまた切なさが。まあ、でも誰であれ、来てくれる人がいて良かったねというべきなんでしょうかね。7巻ラストのことを考えると、いろんな意味で。

逢引ボレロ

 美香と波江の誠二を巡る話。二人とも怖すぎです。今までそれほど物語に絡んできてなかったので、なんとも思ってなかったのですが、怖すぎですよこの人たち! ヤンデレに愛されて夜もなんとやらに誠二がなっていないのが不思議なくらいですよ。ボールペンこえええ! と思った6巻ですけど、スコップも怖いな。というか、感想が怖いばっかりなんですが。

 美香の愛のための行動力には脱帽です。人の家に忍び込んで盗聴器しかけて、誠二に害が行かないようにしてたとか、どんだけですか。ダラーズのことも、帝人や正臣たちの間に起こったことも、杏里の罪歌のことも美香は知ってるんですよね。それでも何も知らないような顔で彼らに接するとか、なかなかできないと思う。そう考えるとすごい人とも言えるのだろうか。でも、やっぱり怖い。
 怖い怖いと言ってますが、誠二にキスされただけで(正確にはフリなだけで、してないが)ものすごく舞い上がる波江はちょっと可愛いと思いました。個人的には波江は臨也との関係が気になります。カップリングとか関係なく。
 あと、メインではないのですが、この話にちょろっと出てきた帝人が少し以前と雰囲気が違ってるように感じて、なんか不思議な気持ちでした。誠二が意外とそれに気が付いてるところに驚きです。仲良いって感じではないけど、意外と見ているんですね。帝人は今後どういう行動起こすんだろうなあ。

はぐれ者コンチェルト

 短編の中でもこれが一番良かった。粟楠会の赤林さんがメインの話。そういやこんな人いたっけね、って認識だったんですが、これがなかなか良い味を出してるキャラで、しかも杏里との意外な接点なんかがあって驚いたりも。
 しかし、これ切ない話でした。特に杏里の家族の話が。杏里ちゃんのお母さんがちょっと登場してましたが、絵はなかったけどすごく美人なんだろうなあ。強くて綺麗、それじゃあ赤林も一目惚れしちゃうよなあ。ここでの感想は少なめですが、印象に残る場面が多い話でした。杏里ちゃんには幸せになってほしい。帝人と正臣と杏里、この3人がまた一緒に仲良くわいわいしてるところが見たいですね。

取立てラプソディー

 静雄周辺の話。平和島さんの実力を垣間見た気がしました。これが一級フラグ建築士の力。なんというか予告どおり彼にモテ期が来たようです。(といっても周りに集まる女の子たちは顔は可愛くても、一癖も二癖もある子ばかりなんだけど)そりゃかっこいいしね、優しいしね、強いしね、フラグが立つのは仕方ない。
 静雄が言うには自分は強いのではなく、馬鹿力があるだけだそうですが、そういう風に相手を素直に尊敬できるところも良いところだと思う。モテ期は来るべくして来たというかなんというか。ヴァローナも茜もありゃ落ちてるよなあ。怖い殺し屋だと思ってた人に助けられて優しくされて、昨日散々追いかけられて車蹴られた相手に「よろしくな」って缶コーヒー頬に当てられて微笑まれて、そんなの惚れるに決まってる。

 これからもヴァローナや茜はレギュラーとして静雄の周りに出てくるそうですが、こっちも気になります。というか、静雄さんの好みのタイプが年上の女性とか! あとがきに今後アニメのエピソードで出るそうなんですけども。気になることが多すぎますね。と、静雄のモテ期ばかり気にしてますが、この話で一番思ったのはトムさんはすごい人だってことです。この人の言うこと(正論なんですけども)はなんかすんなり納得してしまう。静雄とうまくやっていける理由がわかった気がします。

お惚気チャカポコ

 新羅とセルティが二人でお出かけする話。タイトルのチャカポコはドグラ・マグラのアレだそうで。そういやチャカポコチャカポコってあったなあ。途中で挫折したので話はよくわからないのですが。気が向いたらまた読んでみようかな。
 この二人はほんと良いなあ! 新羅のあの妄想が実現するとは思わなかったです。ストゥルルソン先輩! セーラー服姿のセルティがすごく可愛かったです。絵師さんすばらしい。首から上なくても可愛いセルティはすごい。今後もこんなコスプレがあっても良いと思う。新羅、いいぞもっとやれ! な気分でした。

 とまあ良い感じな二人ですが、せっかくの良い雰囲気も数度に渡る携帯の着信が邪魔するわけで。その着信の向こう側にいるのが他の短編にも登場したキャラなんですよね。律儀にお礼の電話をする静雄は良い。(トムさんに言われたからだけど)というか、新羅は一応臨也と静雄は親友という認識だったんですね。あと、学生時代の話がまた少し出てたんですけど、新羅って女の子に告白される程にはモテてたんですね。断りの文句の「君には首から上があるだろう」には、つっこみたくなりますが。彼にはセルティしか見えてないから仕方ない。
 その断り方のせいで噂が広がり、不気味だからという理由で新羅に女の子たちは近づかなくなったそうですが、静雄もその弊害を食らったのですね。「お前のせいで俺まで女に避けられるだろうが」とのことだけど、果たしてそれは新羅だけのせいだろうか。けど、この台詞からみると避けられるのは不本意なんですかね。この人たちの学生時代の話ももっと読みたい。限定版DVDの外伝小説楽しみ。

 また馬鹿みたいに長くなってしまった。書きたいこと多すぎる。ラストの青葉のイラスト見て、またボールペン思い出しました。おー怖い。この子も何を企んでるんだか。青葉もすでにボールペンという名の凶器により痛い目見てるわけですが、まだ痛い目見そうだな。