文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』

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装画:越島はぐ

 珍しい古書に関する特別な相談──謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。
 稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいという。
https://mwbunko.com/product/biblia/311826300000.html


 今回は江戸川乱歩の古書にまつわる謎解き。初の長編ということで読みごたえがありました。江戸川乱歩も好きな作家なので楽しく読めました。

 謎のヴェールに包まれていた栞子さんの母・智恵子の登場。やっぱり得体が知れないというか、底知れない人だという印象。古書に対する知識がものすごい。娘の方もすごいのにさらに上を行くとか! ラストで彼女が家を出た理由がわかるのですが、なんか執念深そうな人でもある。
 3.11の時事ネタも含まれていたことにはびっくり。五浦くんと栞子さんの仲も少しは進展したみたいだが…。栞子さんと文香ちゃんの仲がちゃんと元に戻ったのはほっとしました。
 少年探偵団シリーズ好きなので、いろいろにやにや。本の薀蓄もなるほどと思いながら読みました。また改めて乱歩作品を読みたくなりました。ビブリア古書堂シリーズはそういう力があるのがすごいなと思う。楽しかったです。