文字を食べる

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穂村弘のエッセイ

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 歌人として知られる穂村弘さんのエッセイの読書記録をまとめました。読了順。

穂村弘のエッセイ作品

『君がいない夜のごはん』

料理が出来ず味オンチと自覚する穂村さんが日常で見出した「食べ物」に関する六十編。深くて笑えて思い当たる。傑作エッセイ集。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167912291


 食に関するエッセイ。思わずくすっと笑ってしまう。生ハムメロンは食べたことないけど、フルーツサラダとか果物とおかずを一緒に食べたくない派なので(酢豚にパイナップルとか)、そういうところは同じだなあと思う。ほかにも作者に共感するところが所々あって、ちょっと親しみを感じてしまいました。小心者というか自身をそういう風に書いているので、なんだか作者を可愛らしい人だなとも思ったりも。


 

『本当はちがうんだ日記』

この世に生まれて四十数年、いまだ人生リハーサル中。
冴えない自分にもいつか輝く人生の本番が……と思っているうちに、老眼で足がもつれ鼻毛は白髪の四十男に! さあ、どうする? 妄想力全開、ヘンで笑える傑作エッセイ。
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746353-8


 この方のエッセイってやっぱり面白い。声をあげて笑ってしまった部分が多々ありました。共感してしまったところも複数あり。
 実際にいたらとっつきにくそうな人なのかな? って感じですけど、本文読んでるとほんと親しみを感じてしまいます。自分にあだ名がないことを真面目に考え込んでたり(自分で考えたあだ名には笑ってしまいました。「ほむりん」!)、少女向けの雑誌を読んでいたりなどなど、ちょっとかわいらしい。嫉妬に狂って畳に箸を突き刺す光景は想像したらすごく怖かったけど。

 タクシー待ちの際に出会った老人のエピソード、「読書好き」と「本好き」の違いの話、101年前のポストカードの話など印象に残る話もたくさん。『本当はちがうんだ日記』というタイトルよろしく、「本当はちがうんだ!」という心の叫びも伝わってくるようなエピソードも。

★単行本

 

 

 

『現実入門 ほんとにみんなこんなことを?』

結婚も離婚もしたことがなく、独り暮らしをしたこともない。キャバクラにも海外旅行にも行ったことがない。そんな「極端に臆病で怠惰で好奇心がない性格」のほむらさん・四十二歳が、必死の思いで数々の「現実」に立ち向かう。献血、モデルルーム見学、占い、合コン、はとバスツアー……。経験値をあげたほむらさんが最後に挑むのは!? 「虚虚実実」痛快エッセイ。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334745486


 色んな初体験のことを書いたエッセイ。結構本格的に色々しているんですね。私も初体験がまだのものの話もちょこちょこあって、なるほどなるほどと読んでました。相変わらずおもしろかった。
 最後のプロポーズの話で、一瞬サクマさんと結婚?(作者の初体験をプロデュースする編集の方。行動力すごいなあと感心してしまう。自分がアグレッシブではないので)と思いましたが、違いますよね。そうしっかり書かれているわけでもないし。どこからどこまでが現実のことだったんだろう。どれも現実だとして、上手く書くなあと思う。


★単行本