文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

短歌を楽しむ その2

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 歌集の本は装丁が好みなものが多くて、つい手にとってしまう。そんな短歌に関する本の読書記録をまとめました。どれも覚書なので短めです。的外れな感想もあるかも…。
 大体読了順です。

短歌に関する本

俵万智『生まれてバンザイ』

収録した短歌は、俵さんが赤ちゃんに恵まれ、お母さんになって詠んだ歌がほとんどです。
俵さんの"母の歌"は、いま子育て真っ最中のお母さんたちを、どんなに励まし元気づけることでしょう。
http://www.dowa-ya.co.jp/books/poem/enjoy/bansai.html


 作者が子を生み、育てる過程で詠んだ歌を収録した歌集。後半には恋の歌も。
 今までに出している歌集からの収録がほとんどのようですが、今回初出の短歌もいくつかあったみたいです。小さめで、1頁に1つの歌が載っているというあまりみない形式。が、それがかえって味を出しているというか。一語一語じっくり読みたい歌集です。小さなイラストもかわいらしい。子を想う母の気持ちがたくさん詰まっていて、ほっこりします。


栗木京子『しらまゆみ』

 「しらまゆみ」は檀の木で作った弓のことで枕詞なのだそうです。なんか綺麗な言葉だなあと思って手にとってみたのでした。
 全体的に暗めの印象。2006~2010年という色々なことがあった時代の中で詠んだ歌なのだからそうなるのかも。でも暗い歌の中にも鮮やかなものもあり。情景が目に浮かぶようでした。


島田修二『歌集 朝の階段』

歌集 朝の階段

歌集 朝の階段

 

 作者が作歌を学び始めた頃、19~28歳までの作品、348首。年代でいうと昭和22年~32年。時代を感じさせる短歌が興味深かった。
 が、ちょっと難しかった。言葉とか。読み方・意味調べながらだとなんというか集中できませんね。またじっくり読みたい。


田中濯『歌集 地球光』

地球光 (塔21世紀叢書)

地球光 (塔21世紀叢書)

  • 作者:田中濯
  • 発売日: 2010/08/11
  • メディア: 単行本
 

 作者の第一歌集。作者が京都にいた1996-2000年、東京にいた2007-2008年、それ以降の岩手で暮らした期間のものにわかれていて、20代前半のころのものと30代前半の作品だそうです。
 理系の人らしく、ちょこちょこ研究関連の内容の短歌があった。見慣れない言葉がなんだか新鮮でした。おもしろい。


林あまり『スプーン 林あまり歌集』

あなたは“恋”をする人、しない人? “恋のできない”女性が知った優しい出会い――。大胆奔放な恋歌の歌人が繊細に描く最新歌集
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163208503


 読みやすい歌集。女性の恋愛についての歌が多いです。作者が色々設定して、それにもとづいて詠んだ歌のようですね。べたべたしておらず、さっぱりしている印象。程よい甘さでした。


俵万智『サラダ記念日』

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日――口語を使った清新な表現で“与謝野晶子以来の天才歌人”と話題になった鮮烈の第一歌集。280万部のベストセラー!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024882/


 作者が20~24歳のときにつくられた歌がまとめられた歌集。やはり恋の歌。
 以前、自選集を読んだけど、その中で見たものも。印象的な歌はやはり印象に残るんだなあ。あのときいいなと思った歌は今回もやっぱりいいなと思う。読む順序が逆だったな、と思う。ふるさと関連の歌が特に好きです。

○単行本

wikiに記事がある
サラダ記念日 - Wikipedia


福井貞子忘れな草

豊文社出版

 表紙の勿忘草が綺麗だったのですが、画像が載せられないのがちょっと残念。歌集も花をうたったものが多かったです。情景が目に浮かぶようでした。作者はこの本制作当時95歳だったみたいですね。その年月の積み重ねを感じられます。


穂村弘『ラインマーカーズ』

デビュー以来ニューウェーブ短歌の旗手として活躍し、ポップで切ない極彩色の短歌と、爆笑と共感を呼び起こすエッセイで、今や最も期待される書き手である穂村弘の、自選ベスト短歌集です。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09387449


 個人歌集からの再録、未収録作、書き下ろし作と歌がぎゅっとつまった歌集。やっぱりよくわからないなあと思うんだけど、不思議な魅力があって惹きつけられます。お気に入りの歌がまた増えました。
 たくさんの短歌の中に混じっていたSSの「ごーふる」はちょっと怖かった。何が怖かったかと聞かれるとよくわからないんだけど、そのよくわかんないところがなんか不気味に感じるというか。言葉にするの難しいなあ。